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意思ある中華料理

 現在、東映特撮YouTube Officialでは、「がんばれいわ!!ロボコン」の公開記念で、「東映不思議コメディシリーズ」の中から、脚本家、浦沢義雄氏が執筆した、中華料理が意思を持っていろんなことをするエピソードのみを集めた、「中華擬人化セレクション」なるものが配信されているそうだ。

 以前から、浦沢さんが書いた作品に関するとんでも伝説は聞いていたのだが、せっかくの機会なので、この珍エピソードたちを全て鑑賞した。

 ラインナップは、以下、
「ペットントン」の第30話 「横浜チャーハン物語」
「どきんちょ! ネムリン」の第16話 「肉まん・アイス大戦争」
「勝手に! カミタマン」の第19話 「長寿庵の中華三兄弟」
「魔法少女ちゅうかなぱいぱい!」の第12話 「レイモンドとチャーハン」
「鉄腕探偵ロボタック」の第14話 「恋する餃子の涙」
の、5作品である。

 この作品たちを観た感想は、「マジかよ…」「なんでこんなの書けたんだ…」「そしてなぜこのシナリオにOKが出たんだろう」の三拍子である。

 もう噂通り、中華料理店のシュウマイはチャーハンと駆け落ちし、アイスと肉まんはお菓子としての地位を完全掌握するために戦争を始め、ラーメンの三兄弟は世にも下らない兄弟喧嘩していた。
 悪役の魔法でナルトなしラーメンに変えられていた主人公の彼氏は、人間に戻してくれた元チャーハンの女の子と結婚していたし、ロボタックたちは「恋する餃子の涙」のなぞなぞを解くため、餃子をブランコに載せ、シュウマイやレバニラ炒めとお見合いさせながら、バイオリンを弾いていた。

 自分でももはや、何を書いているのか分からなくなっているが、その後の展開が巧妙に練られている作品もあれば、最後までその料理に人格がある状態で走りきった作品もあり、基本的に特撮は怪獣ものを好む僕でも、とても楽しく観ることができた。

 それに、僕がときどき作りたいと言っている、HANDY MONSTERS映像化作品のビジョンは、この不思議コメディシリーズの雰囲気とほぼぴったり合っていた。(小さい頃、系統的に近い「燃えろ!!ロボコン」を観ていた影響かもしれない)
 中華料理が意思を持って何かするお話を入れるかはともかく、僕が作りたいものがどういうものなのかというビジョンが、この作品たちを観たおかげで明確になった気がする。

 皆さんも、戦隊やライダーとは違う、東映特撮キャラクターたちの活躍とともに、実際にこの目で、意思ある中華料理たちを観てみてはいかがだろうか?

 しかし、浦沢さんのこのとんでもセンスだけは、どんなにシナリオ勉強しても、マネできそうで一生マネできない気がする…

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