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映画を作るためのお金の話

 今日、ある方の引用リツイートでこんなツイートを見た。

 この後のツイートで、「それくらいの金で映画作れるかよ」と言ってきた人たちをブロックしたことも書いてあった。

 僕は、元ツイートに貼ってある記事のことや、「それくらいの金で映画作れるかよ」という反論は無視して、思わずこのように引用リツイートした。

 仮にも有名ドラマ「スクール☆ウォーズ」の作者、馬場信浩氏に対して、わりと偉そうな言い方だし、いろいろツッコミどころ満載だろうが、そのとき考えたことを一つずつ説明(ないし言い訳)をしていこう。

 まず、360万という数字で作品を作るならと考えたとき、何分の作品なら予算内で作れるのかを考えた。

 まず、かのツイートのリプで話題になっていた、低予算で高収益を得た実写映画は、その制作事情から考えて、血の滲むような低賃金(場合によっては無給)やスケジュールで制作していることが多く、あれを標準にされてしまえば、僕の知り合いが山ほど失業し、路頭に迷って首を括ることが想像できてしまうため、全く当てにならないと考えて外した。
 馬場氏ほど業界のことがわかっているわけではないが、一応僕も、高校大学で映画の作り方を勉強し、自主制作映画のお手伝いをしていた身である。これは肌感覚でわかった。

 では、現在も底予算で作られながら、スタッフには少ないなりにお給料を払っている映像作品は何か?

 テレビアニメだ。

 テレビアニメは1話30分、本編のみなら20分であり、その制作予算はおよそ、1000万〜2000万である。
 これでも給料の未払いやサービス残業、制作会社の倒産がネットニュースで騒がれる業界なのだが、数字がわかる以上、一産業としては、おそらくここを最低ラインと決めておくのが安全だと考えた。
 その上で僕の価値観なりに計算し、360万で作れる作品の上映時間は、最低5分以内になるとした。

 計算がざっくばらんで、かなり多めに見積もっているかもしれないが、作っていくうちに予算オーバーするのが作家というものだし、馬場氏のツイートにあった、ブルーインパルスの都内飛行以上の感動作品を作るなら、この計算で間違っていないと考えている。

 なので、馬場氏がこの見積もりでいいよと納得して製作費を出してくれるなら、僕は喜んで360万を受け取り、最高の作品を作るつもりだし、この予算で1時間半の劇場作品を求めているなら、僕をブロックしてもかまわないと書いたのである。

 一応言っておくが、僕がもしクラウドファンディングやオンラインサロンなどで製作費を集めることがあれば、僕はこの論理の上で呼びかけるつもりだ。
 ふざけんなと思うなら、もっと低予算で作ろうとしている人はたくさんいるから、彼らに渡せばいい。ただ、僕の場合は他の人より高く設定する方が、老若男女全てに受け入れられ、必ず製作費の以上の収益が見込める作品にしようという緊張感を保てるのだ。

 これ、けっこう当てはまる人は多いのではないだろうか?

 なので、僕が馬場氏に対して返したツイートは、反論ではなく、僕なりの予算交渉だと考えて欲しい。
 そして、僕が日頃、お金が欲しいと言っているのは、単に楽したいだけでなく、(したいのではなく、とは言わない)その分確実に大ヒットする作品を作れるという自信と、作るんだという覚悟、作らなければいけないという脅迫観念を持って生きているからだということを知って欲しい。

 他力本願かもしれないが、これが本気で他人に自分の人生を委ねるということだ。

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