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コンビニ店員に10円玉を消すマジックを披露された(?)話

つい先日のこと。

友達とオンライン飲み会を控えた僕は家の近くのコンビニへ。

檸檬堂や角ハイなどのお酒4本と適当なつまみを買ってレジへ。

レジに立っていたのは初めて見る店員さん。見た目で人を判断するなとはよく言いますが、あえて判断いたしましょう…「ちょっと内気な女子高生」

「お会計908円です」と、ちょっと内気な女子高生の店員さん。

僕は財布から1010円を出し、キャッシュトレイに置いた。

ここまで読んで「『10円いりませんよ』って言われたみたいなオチか」と思ったアナタ。そうじゃない。

その子は僕の1010円を手に取ると、チャリンーー10円玉を落としてしまった。

10円玉はコロコロと転がり、流し台の下へ直行

「すいません」と一言断る店員さん。

「大丈夫ですよ」と僕。

その子はしゃがみ込んでシンクの下を探し始めた。

ただ、不幸なことに結構奥まで行ってしまったらしい。

なかなか見つからないまま時間は過ぎる。30秒

「レジに金額入力して精算すると言う手がありますよ」と言いたくなった。でも、多分できないから探しているのだろう。初めてみる子だし、多分新人さんだ。

気がつけば1分。店の中には僕と店員さんの2人しかいないようだった。その子はずっと流し台の下の10円玉を探している。後ろの客の心配とかはしなくてよかったけど、ちょっと気まずかった。

この気まずさに耐えかねて「あ、ここに10円落ちてました笑(大嘘)」ってもう1枚渡そうかなと思い、財布に手をかけた瞬間…店員さんが立ち上がった。

お!見つかったのか!と思い安渡した僕。そして彼女は僕にこう言った。

「1000円のお預かりでよろしかったでしょうか?」

な ん だ と ?

あまりの毅然とした店員さんの態度。さっきまでは内気そうだと思っていたけど、その瞬間は逞しささえ感じた。やはり、人を見た目で判断するべきじゃないんだ!

そのあまりの逞しさに「あれ?実は10円玉など最初から存在していなかったのでは?」とさえ僕は思った。

動揺した僕は思わず「あっ、お願いします」と答えた。(何を?)

そして精算。僕は4本の酒とつまみ、そして92円のお釣りを受け取ってコンビニを出た。

あの1分は一体なんだったのだろう。

「そんなのアリ?」と思ったけど主導権は向こうにあった。向こうがアリと言ったらアリなのだ。

このことを先輩に話したら「社会は予測不能のアクシデントの連続。こう言う時に上手に対応する術を、これから彼女はあのコンビニで学んでいくだろう」と言われた。確かにそうだ。うん。

僕も学びがありました。次に同じことがあったらもっと早く10円だそうって。

まあ、たかだか10円のことなのでたいして気にしていません。忘れることはできないんですけど。

なんとも不思議な経験ではありましたが、「渡したはずの10円玉が消えた!?コンビニ店員によるウルトラマジック!」を見たのだと、そう思う事でギリギリ胸に仕舞い込むことができそうです。

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