【番外編1】ハイボールの味を科学する

本を一冊買いました。

人間の感じる味覚と、それをとりまく状況によっていかに人の味への感じ方が変化したか、というのを科学的側面から教えてくれます。まだまだ読み始めですがらとても興味深いです。

さて。その中でこんな一文がありました。

『炭酸の感覚は舌や口の細胞の酵素によって炭酸から水素イオンと重炭酸イオンが生成されて生まれる感覚である』
伏木享/味覚と嗜好のサイエンス/東京 丸善出版.12頁

なるほど、あのシュワシュワ、クゥーゥ!という感覚を科学的に表現すると、こうなるんですね。大変興味深い。確かに炭酸水には味があると常々思っていましたが、低温のH2Oに無理くりCO2を溶かし込んだあの液体の味が、言葉にできるなんて。科学は偉大なり、と再認識しました。
それでは本題です。炭酸水(H2CO3)には味がある、ではどんな味か、です。口の中には、『炭酸脱水酵素』というものがあるそうです。こいつが炭酸水を、水素イオン(H+)と重炭酸イオン(HCO3-)に素早く分解させます。発生した水素イオンは、酸味を感じさせます。お酢(酢酸)やレモンジュース(クエン酸)などの酸味は、こいつの仕業です。そして重炭酸イオン(HCO3-)は、シュワシュワとした刺激を口の中に与えるそうです。僕はてっきり、口の中の温度で二酸化炭素が抜けていく感じがあのシュワシュワの正体だと思っていましたが微妙に違うのだとか…。同時に、炭酸には飲み物の香りの立ち方を豊かにする効果があるようです。
…いや難しいです!詳しく詳しく書こうとすると、自分の方が頭こんがらがってきます。特に炭酸脱水酵素の件なんて、調べてたらバイオ化学の時間に聞いた単語がものすごい量でてきまして、不勉強さを痛感いたしました…

はてさて。かくしてハイボールは何故旨いのか!です。ここからは完全に持論でしかありませんので、そこはご了承ください…
まず、ウイスキーの味は複雑ながら『酸味』というファクターはとても小さいと思います。お酒の飲めない方は苦い!と表現されますし、飲み慣れた方は甘味を見いだします、しかしながら酸っぱい、というのは十数年酔っぱらいをやっていて、聞いたことも飲んだこともありません。人の舌は味が複雑なほど、旨いと感じるそうです。甘くて苦いチョコはどの時代も大人気ですし、スイカやあんこに微量の塩を加えて甘味を増幅させたり、揚げ物にレモンをしぼったり、と皆様も実体験としてあるかと思います。ウイスキーの甘味や渋み(これを苦味ととっているのかも?)に、炭酸水の水素イオンの酸味が作用して味が爽やかになります。味の厚みも生まれますね。炭酸水特有のシュワシュワも、爽やかさの演出に一役買っています。さらにはウイスキーの本懐でもある香りを引き立たせてくれる、というんですから、美味しく感じるのも納得です私。

炭酸水ってどんな味?から、もうもうと考えていたたところ、こんな結論に至りまして。皆様にも共感いただければ、と書いた次第でございます。だいぶ尻切れトンボですが思い出した頃に書き足してみようかと思います笑

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