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勝点1という茶番 極私的サッカー改造論

はじめにお断りしておくが、自分はサッカーを実際にプレーした経験がない。代表の試合は欠かさず観るが、Jリーグの試合はほぼBS1の「Jリーグタイム」のハイライト映像で済ませている。

映像で観るペレやクライフやベルカンプには天才を感じるがマラドーナにはまったく感じないという、ある意味偏見にみちた老人のひとりごとでありつぶやきである。

そんなサッカーファンの末席にいる傍観老人がサッカーに抱く最大の疑問は、なぜドロー(の多さ)を放置し座視し続けるのか、という一点につきる。

リーグ戦はともかく、トーナメントにはPK戦があるというかもしれないが、あれは次へ進むチームを決めるための手続きであって、競技の本質に沿ってはいない。

名将オシムは「あれはサッカーではない」として自チームのそれでさえ見届けることをしなかったが、正論だと思う。筆者はあれはジャンケンだとみている。大人たちのジャンケン合戦を映して感動を煽るのはどうかと思う。

サッカーにおけるドローの割合がいかほどか、公式データがあるのかどうか、筆者のJリーグをもとにした印象では、ざっと3割前後ではなかろうか? そこにはスコアレスドローまでもが散見される、という現実がある。

ほぼ断言できるが、こんなスポーツ競技はほかにない! しかも不思議なのは、FIFAをはじめサッカー関係者が、この事態を不名誉なことと思っていないこと!??

選手も選手である。試合中、延々と繰り返されるパスミスとボールロストの沼を10km以上も走り回り、あげくの果てがドローって悔しくはないのか!? 怒りの声をなぜあげない!? 勝負に決着をつけたくはないのか?

諸悪の根源はすべてのゴールが得点1であること。ゴールの難易度や様態によって得点に差をつけることは、他競技にも見られるように、合理ではないだろうか。よって改正案は以下のとおり。

◯通常ゴール(PA内で放たれたゴール)は2点とする
◯PA外から放たれたゴールは3点とする
◯オウンゴールは1点とする
◯ゴールマウスを叩いたシュートは1点とする(なぜなら叩いた時点で相手の防御をすべて無効化しているから)
◯時間内のPKによるゴールを2点とするか1点とするかは結論に至らず、 to be decided

これによってドローは確実に減る。今までにはなかった逆転の興趣や戦術の選択肢も増すだろう。それでもドローはゼロにはならないから、PK戦に代わるタイブレーカーは考案しなくてはならないが、それはボケ老人の能力を超えている。

持論擁護のためにサッカーと同根の競技ラグビーの例を引いておく。FIFAに当たるIRBはルール改正に柔軟で、毎年ルールに手を入れて競技をチューニングしている。

よく知られた例では、かつてトライの得点は4点だったが、今は5点である。相手ファウルによるタッチキック後のボウルはかつては相手に渡ったが、今はキッカー側と、正反対である。

もちろん、個々の改正には競技者もファンもが納得する理由づけがなされており、競技の興趣がよく保たれている。

こうしたIRBの柔軟性や進取性に比べたらFIFAの保守性、頭の固さは度しがたいと言わねばならない。

繰り返すが、ドローをサッカーの宿命とする勝点1は、この競技の汚点である。

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