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TLAC債の基礎知識【債券の基礎シリーズ⑧】

こんにちは
ウェルスパートナー(https://wealth-partner-re.com/)で富裕層向けIFAをしている藤村大星(https://twitter.com/wp_fujimura)と申します。

債券の種類は国債・普通社債・劣後債・永久劣後債・CoCo債だけじゃないの?と思う方も多いと思います。実はTLAC債という債券もあるので解説します。


(1)TLACとは

TLACとは破綻した場合に金融市場への影響が大きい巨大金融機関に対して、経営難に陥った際に税金で救済しなくても良いように、資本や社債の積み増しを求める規制です。

(2)TLAC債とは

TLAC債とは、上記のTLACに対応するために「持株会社」が発行する普通社債で、普通社債(実質破綻時免除特約付き)といった形で表記されていることがあります。

ポイントなのは、銀行の破綻を回避するものではなく、破綻した時に公的資金を使った救済を避ける目的で発行される債券だという点です。詳しくは(3)で解説します。

G-SIBsの30行及びそれに準ずる金融機関しか発行せず、日本では、三菱UFJ
フィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ
のメガバンクの持株会社ほか、野村證券の持株会社の野村ホールディングスが発行する債券が対象です。なので三菱UFJ銀行が発行する債券は普通社債ですが、三菱UFJフィナンシャル・グループが発行している普通社債はTLAC債です。

(3)TLAC債のリスク

TLAC債は金融機関が破綻した場合に、元本を削減し損失を吸収することで預金者や普通社債の保有者を保護する役割があります。

ざっくり表現すると普通社債と劣後債の中間の債券です。
破綻した際の弁済順位が普通社債よりも劣後しますが、劣後債よりは優先されます。

出典:https://japan.pimco.com/ja-jp/resources/education/bond-basic/credit/what-is-hybrid-securities

債券格付けも、銀行の発行する普通社債と持株会社が発行するTLAC債だとTLAC債の方が債券格付けはもちろん低くなります。
そもそもTLAC債を発行できる金融機関はG-SIBsの30行及びそれに準ずる金融機関なので、安心感はありますが、クレディスイスのような万が一もあるのでリスクをしっかり理解した上で投資をしましょう。

(4)TLAC債のメリット

・TLAC債ではない普通社債よりも利回りが高い

TLAC債の種類としては普通社債として発行されるのですが、破綻時に元本の削減、免除を要求できるなど、TLAC債の保有者が損失を負担するというリスクが上乗せされているため、TLAC債ではない普通社債よりも利回りが高くなる傾向が高いです。

(5)まとめ

今回はTLAC債についてでした。あまり聞き馴染みのない債券だとは思いますが、金融持株会社が発行する普通社債はTLAC債なのでチェックしてみましょう。

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