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競売入札シミュレーション 神戸地裁尼崎支部編R2.10.22開札①

今回は神戸地裁尼崎支部からです。

ピックアップする物件は【1Rマンション】です。

前回の開示が24件。今回は少し減って17件が開示されています。
入札期間は10月8日~10月15日です。
開札期日は10月22日となっています。

※入札の際は「陳述書」の記載の不備が無いように注意ください!

事件番号 令和02年(ケ)第7号
売却基準価額 1,730,000円
買受申出保証額 350,000円
買受可能価額 1,384,000円

種別:区分所有建物
物件番号:1
所在地:尼崎市若王寺三丁目
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):3階部分 16.40m2
間取り:ワンルーム(中住戸)
バルコニー:西向き
バルコニー面積:あり
管理費等:9,500円
敷地利用権:所有権
占有者:あり
築年月:平成2年2月
階:3階
総戸数:45

■ポイント■
★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1】
なし
4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号1】
転借人【A】が占有している。原賃借人【法人A】の賃借権は抵当権に後れる。ただし、代金納付日から6か月間明け渡しが猶予される。
5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号1】
管理費等の滞納有。

★現況調査報告書より
・その他の者が本建物を住居として使用している。
・滞納があります。約29万円【令和2年2月調査時点】
・所有者←→賃借人【法人A】との契約内容
①最初の契約等:2019年4月
②更新の種別:-----
③賃料:32,600円
④敷金:なし
⑤特約等:譲渡転貸可
⑥その他:本物件を賃借人の選択した第三者(転借人)に転貸することを条件とする。転借人の情報を開示しない。賃貸人は転借人の選択変更に異議を述べられないものとする。
・賃借人【法人A】←→転借人【A】との契約内容
①最初の契約等:2018年12月
②更新の種別:----
③賃料:35,000円
④敷金:なし
・総戸数45戸。
・集会室、トランクルーム、ゲストルームなし。

※関係人の陳述等より
・賃借人兼転貸人【法人A】従業員より
1.建物所有者【B】から同人を賃貸人、当社を賃借人として、第三者に転貸することを目的として契約をしている。
2.当社は、当社を貸主、借主を【A】として、契約をしている。
・転借人【A】より
1.本件目的建物の賃借人です。
2.平成30年(2018年)に契約と同日に入居。
・債務者兼所有者【B】より
1.本件目的建物の所有者です。
2.【法人A】に第三者に転貸することを目的として賃貸しています。
3.【法人A】の提出した契約書の通りです。契約日は平成31年4月(2019年)

※執行官の意見より
今回はコメントがありませんでした。

※間取り及び室内写真より
1.洋室です。
2.ユニットバス(浴室、トイレ、洗面が一体)
3.室内に洗濯機置き場あります。
4.ミニキッチンがあります。(IHコンロ)
5.下駄箱があります。
6.室内は生活雑貨などがあり、生活感が窺えます。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩17分。約1300mと記載があります。
2.総戸数45戸
3.4階建ての3階部分です。
4.経済的残存耐用年数は共に約10年とされています。
5.エレベーター、オートロックなし。
6.マンション全体の修繕積立金は約2600万円。
7.近い将来の大規模修繕計画:不明
8.基礎となる価格として約297万円が評価額として算出されています。
9.現在の賃料設定が3.26万円/月。年間で39.12万円となっています。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
39万円÷173万×100=22.54%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
39万円÷297万×100=13.13%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
39万円÷237万×100=16.45%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

★入札時のポイント

今回もよく登場するサブリース会社さんが登場しています。

今回は6か月猶予の判断になっていますね。

それに対してサブリース会社さんからのコメントは入っていなかったので、6か月猶予を受け入れたとみてよいのかもしれません。

売却基準価額での利回りはまずまず良い数字が出てますが、駅からの距離が離れているのがネックですね。

実際に空家になった場合、家賃は変わらず取ることができるのか?
駅前の物件で値崩れが起こると影響を受けてしまいます。

ただ、近隣には買物施設などが集まっていて生活はしやすい環境なので、そちらをプラスとして捉えるか?

個人的には入札してもよいかな?って思う、面白そうな物件です。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。

個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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