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競売入札シミュレーション 京都地裁本庁編R2.11.19開札②

さて、今回取り上げるのは「一戸建て」をチョイス!

京都地裁本庁

土地が2件・戸建てが25件・マンションが6件で、合計33件の開示です。

前回の公示よりも7件減りました。

入札物件の期間は、

入札期間は11月5日~11月12日

開札期日は11月19日です。

事件番号 令和02年(ケ)第57号
売却基準価額 1,410,000円
買受申出保証額 282,000円
買受可能価額 1,128,000円

種別:土地
物件番号:1
所在地:京都市右京区嵯峨野開町
地目(登記):宅地
土地面積(登記):38.41m2
用途地域:第一種中高層住居専用地域
建ぺい率:60%
容積率:200%

種別:建物
物件番号:2
所在地:京都市右京区嵯峨野開町
種類(登記):居宅
構造(登記):木造瓦葺2階建
床面積(登記):
1階:24.07m2
2階:27.91m2
床面積(現況):
1階:約34.07m2
2階:27.91m2
間取り:
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:昭和37年3月

■ポイント■

★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1、2】
なし

4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号2】
本件所有者が占有している。

5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号1】
(1)売却対象外の土地を通行のため利用している。
(2)本件土地の一部は通路として利用されている。
(3)隣地との境界が不明確である。

★現況調査報告書より
・共有者らが本建物を居宅(空家)として使用している。
・本件土地の北側及び南側に通路が存在する。なお、どちらの通路も建築基準法上の道路ではない。
・本件建物は建て替え不可である。
・1階に増築部分がある。
・2階和室天井に雨漏り跡が認められる。
・2階南側ベランダ部分が南側隣地上に越境してるものと外観される。

※関係人の陳述等より
【共有者亡き【A】相続財産特別代理人事務所担当者】より
1.本件土地建物については全くわかりません。

【東側隣地居住者】より
1.私の所有する土地には、南側と北側の通路部分の一部がそれぞれ含まれていると思う。
2.通行料は貰っていない。周辺の住民との間で通路の通行に関する契約等はない。

【南東側隣地居住者】より
1.私の所有する土地には、北側の通路部分は含まないと思う。

【連棟住宅西端居住者】より
1.南側の通路の通行に関して、通行料等は貰っていない。

【北側隣地居住者】より
1.土地の境界についてはわからない。

※執行官の意見より

1.共有者【B】【C】【D】宛にそれぞれ照会文書を送付したが回答がなく、連絡が取れなかった。
2.建物何は、前共有者亡き【A】宛の郵便物が多数存在したが、第三者の占有を示すものは認められなかった。
3.立ち入り調査の結果及びライフライン調査の結果から共有者らが本件建物を居宅(空家)として使用していることが認められ、認定した。

※間取り及び室内写真より
1.間取りは2階建てで、3DKのようです。
2.室内には荷物が多数残っています。
3.過去に生活されていた名残が感じられます。
4.室内は荒れているようにも見えますが、生活されていたままで時間がとまっている様子にも見えます。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩5分。約330mと記載があります。
2.接面道路|南側私道(通路)負担部分を含んで幅員約1m、北側が幅員約1.3mの道路。
3.ライフライン|上水道、ガス配管、下水道すべてあり。
4.経済的残存耐用年数は共に約0年とされています。
5.京都市担当課において、当該街路状況では建て替え不可である旨聴取。
6.建築確認申請を行った形成は見当たらない。
7.基礎となる価格として約402万円が評価額として算出されています。
8.評価人の算定額がないため近隣の事例より2万円/月。年間で24万円となります。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
24万円÷141万×100=17.02%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
24万円÷402万×100=5.97%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
24万円÷321万×100=7.47%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

★入札時のポイント★

再建築ができない物件なので、不動産投資としては魅力が薄いですね。

戸建ての場合は、建て替えができない物件と分かっていれば、金額はかなりシビアになってきます。

また、建物の建築年度も昭和37年。築後68年になります。

改装するにしても、費用をかけすぎると改修まで時間がかかることを考えるならば、今回は見送りする物件です。

今回はさすがに買受可能価額の金額でも高いですね。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。

個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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