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競売入札シミュレーション 神戸地裁本庁編R2.10.13開札①

今回は神戸地裁本庁からです。

ピックアップする物件は【1Rマンション】です。

前回の開示が20件。今回は微増の22件が開示されています。
入札期間は9月30日~10月7日です。
開札期日は10月13日となっています。

※入札の際は「陳述書」の記載の不備が無いように注意ください!

事件番号 令和02年(ヌ)第20号
売却基準価額 1,180,000円
買受申出保証額 240,000円
買受可能価額 944,000円

種別:区分所有建物
物件番号:1
所在地:神戸市中央区元町通四丁目
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄骨鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):4階部分 14.18m2
間取り:ワンルーム 
バルコニー:東向き
バルコニー面積:あり
管理費等:9,410円
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:昭和59年12月
階:4階
総戸数:151

■ポイント■
★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1】
なし
4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号1】
本件所有者が占有している。
5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号1】
管理費等の滞納有。

★現況調査報告書より
・建物所有者が本建物を空家の状態で占有している。
・滞納があります。約74万円【令和2年6月調査時点】
・集合ポストはビラなどで溢れ出そうな状態。エントランスからのインタフォーンは呼び出すことができない状態。
・照明器具は残されているが、日常生活に必要な動産類は何も存在していない空家状態。ベランダには不要物と思われる動産類が放置されている。
・すべての居宅のドアの取り換え工事がなされたが、本件は不在であったため取り換え工事がまだなされていない。
・本件の扉は保管しているが使用できない可能性もあるため、競落人に扉自体新たに購入してもらい取り付けてもらうことになる。その場合の費用は15万円程度必要かと思う。保管している扉が使用できる場合でも取り換え費用として、最悪5万円程度必要になると思う。

※間取り及び室内写真より
1.洋室のお部屋です。バルコニー以外に窓が2か所あるようです。
2.浴室、洗面、トイレは一体型のユニットバスです。
3.ミニキッチンがあるようです。
4.お部屋の床はカーペットのように見えます。
5.バルコニーに残置物が見受けられます。
6.ハウスクリーニングが終了しているかわかりませんが、写真で見る限り綺麗に見えます。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩3分。約200mと記載があります。
2.総戸数151戸
3.15階建ての4階部分です。
4.経済的残存耐用年数は共に約10年とされています。
5.エレベーターあり、オートロックあり。
6.マンション全体の修繕積立金は約1800万円。
7.本件1棟の建物は、基準容積率を超過していると目される。
8.基礎となる価格として約282万円が評価額として算出されています。
9.評価人の算定した賃料設定が4万円/月。年間で48万円となっています。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
48万円÷118万×100=40.67%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
48万円÷282万×100=17.02%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
48万円÷225万×100=21.33%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

今回は滞納がありますので、現在わかっている滞納金を足して再度見ていくと、

計算式1【売却基準価額での計算】
48万円÷(118万+74万)×100=25%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
48万円÷(282万+74万)×100=13.48%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
48万円÷(225万+74万)×100=16.05%(表面利回り)

このようになりました。

★入札時のポイント

利回りは滞納金を加算してもまずまず(売却基準価額での落札)ですね。
後は、玄関扉の交換などで別途費用が発生するのでそちらをみておかないといけませんね。
また、室内はフローリングではなくカーペットになっているので、このままの状態で賃借人が借りてくれるのか?

昔の高級マンション的なマンションの床はカーペットを使用されているお部屋もありました。
実際私も、分譲マンションの買取再販をしている時にフローリングではなく、カーペットを使用したこともあります。

カーペットがあうお部屋であればよいのですが、全体的にカーペットよりもフローリングを皆さん好まれますね。

また、評価人のコメントである、「本件1棟の建物は、基準容積率を超過していると目される。」こちらのコメントを見ると、金融機関を利用される場合は注意が必要ですね。法令違反の建物に対して貸し出しをされるところは少ないでしょうから。フリーローン的な形でお金を借りられる方は寒けないでしょう。

マンション全体の修繕積立金も規模的に考えると、しっかりと貯まっているように感じますので以後の修繕も問題なさそうですね。

当初持ち出しするお金はかかりそうですが、滞納も含めて250万円で落札できれば表面利回りも約19.2%となるので、この辺りで落札できるとよいですね。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。

個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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