競売入札シミュレーション 大阪地裁堺支部編R2.11.26開札③

さて、今回取り上げるのは「連棟式建物(テラスハウス)」をチョイス!

大阪地裁堺支部

土地が0件・戸建てが20件・マンションが5件で、合計25件の開示です。

前回の公示よりも6件減りました。

入札物件の期間は、

入札期間は11月11日~11月19日

開札期日は11月26日です。

では、早速見ていきましょう!

事件番号 令和01年(ケ)第178号
売却基準価額 1,890,000円
買受申出保証額 380,000円
買受可能価額 1,512,000円

種別:土地
物件番号:1
所在地:藤井寺市北條町
地目(登記):宅地
地目(現況):宅地一部公衆用道路
土地面積(登記):53.10m2
用途地域:第一種住居地域
建ぺい率:60%
容積率:200%

種別:土地
物件番号:2
所在地:藤井寺市北條町
地目(登記):宅地
地目(現況):公衆用道路
土地面積(登記):9.27m2
用途地域:第一種住居地域
建ぺい率:60%
容積率:200%

種別:建物
物件番号:3
所在地:藤井寺市北條町
種類(登記):居宅
構造(登記):木造瓦葺2階建
床面積(登記):
1階:32.44m2
2階:28.63m2
間取り:5K
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:昭和48年11月

■ポイント■

★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1~3】
なし

4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号3】
本件所有者が占有している。

5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号2】
本件土地は通路として利用されている。

★現況調査報告書より
※現況調査報告書に補正書が追記されています。

1.建物所有者(破産管財人)が本建物を住居(空家)として使用している。
2.立ち入り調査時には、初回臨場時に郵便受けの設置されていた門扉ごと撤去されていた。
3.目的土地(物件1)は目的建物の敷地として利用されている。なお、隅切り(合計約1.8㎡)につき、公衆用道路の一部として利用されており、さらに、北側部分についても道路負担の可能性があるが、詳細は不明。
4.目的土地(物件2)は、公衆用道路の一部として利用されている。ただし、同土地は、本件建物敷地たる目的土地(物件1)に接していない。
5.建物内には、動産類がほとんど存在せず、空家の状態である。
6.建物南側の外壁に膨らみやクラックが存在する。
7.室内の床の随所に凹凸が感じられ、2階階段部分の天井に浮きが認められるなど、建築後45年以上の警戒に相応する劣化、損耗が認められる。

※関係人の陳述等より
【破産管財人】より
1.目的建物は空家で誰にも貸していない。
2.現在、任意売却交渉中であり、買受希望者がカギ1本を持っている。

【市の都市計画課担当者】より
1.物件1の北側道路は、建築基準法第42条2項の道路です。
2.物件1の西側道路は、同法上の道路に該当しません。

※執行官の意見より
執行官のコメントはありませんでした。

※間取り及び室内写真より
1.土地建物位置関係(概略)が補正後新たに作成されています。
2.物件番号2の土地が離れているのも上記の関係図で記載されています。
3.2階建てで5Kの間取りのようです。
4.角地にあります。駐車スペースはありません。
5.室内の水回り設備は近年入れ替えをされているようです。
6.室内の壁、床、天井などは趣を感じる内装のままに見受けられます。
7.エアコンが数台残置されています。
8.外壁のクラック後は写真上で見ると、かなり大きなクラックに見受けられます。

★評価書より
1.最寄駅から約1300m。徒歩約17分。
2.接面道路の状況|北側約3.5m舗装市道(建築基準法第42条2項)、西側約3.8m私道(建築基準法の道路に非該当判定済み)
3.ライフライン|上水道、ガス配管、下水道すべてあり。
4.物件1.2共に敷地境界が不明。
5.北側は幅員4m未満の市道であるが、建築計画概要書及び地積測量図の辺長や周辺土地の状況から判断すると、すでに道路中心線から2m後退していると思われ、当該部分が道路負担部分の可能性が高い。
6.西側道路は建築基準法上の道路でないが、再建築に際しては道路中心線から2mの後退が必要となる可能性がある。
7.経済的耐用年数は、0年となっています。
8.保守管理の状態は、経年相応以上の摩耗、老朽化が認められる。保守管理の状況はやや劣る。
9.建蔽率を超過している。建築確認は申請しているが、検査済み証はない。
10.基礎となる価格として約336.1万円が評価額として算出されています。
11.評価人の算定した想定賃料がないため近隣相場より4.2万円/月。年間で50.4万円となります。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
50.4万円÷189万×100=26.66%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
50.4万円÷336.1万×100=14.99%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
50.4万円÷268万×100=18.80%(表面利回り)

上記のようになりました。

入札するなら上限252万円で表面利回り20%ですね。

★入札時のポイント★

駐車場がないのがどれだけ家賃に影響を与えるか?
まずはその問題ですね。間取りも古い間取りのため、リビングがないのは人気が弱いです。
ただ、部屋数が多いのと、設備は近年入れ替えている点では、改修コストは抑えられるか?
全般的に損耗が目立つようなコメントがあるため、その辺を直すとなるとコストはかかってしまいます。
角地で再建築も可能であるようなので、建売業者の参入がどうか?
土地面積が16坪程度なので建て替え時は駐車場を考えると3階建ての3LDK が限界でしょうか。
破産管財人のコメントで、並行して任意売却で活動されている様子なので、もしかすると競落される前に売却が決まって取り下げになるかもしれません。

※注意しましょう!
現在、入札する添付書類が増えています。
「陳述書」です。
せっかく調査して、振込して、提出する入札書です。
くれぐれも書き間違い、書き損じ、書き忘れなどがないように注意してください。
これから入札検討される方は、「陳述書」の添付気を付けて下さいね。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。

個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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