競売入札シミュレーション 京都地裁本庁編R2.11.19開札①

さて、今回取り上げるのは「ファミリータイプマンション」をチョイス!


京都地裁本庁


土地が2件・戸建てが25件・マンションが6件で、合計33件の開示です。

前回の公示よりも7件減りました。

入札物件の期間は、

入札期間は11月5日~11月12日

開札期日は11月19日です。

事件番号 令和02年(ケ)第46号
売却基準価額 690,000円
買受申出保証額 138,000円
買受可能価額 552,000円

種別:土地 持分売り
物件番号:1
所在地:京都市山科区小山西御所町
地目(登記):雑種地
地目(現況):宅地
土地面積(登記):350m2
用途地域:第一種住居地域・第一種中高層住居専用地域
建ぺい率:60%
容積率:200%
持分:43分の1

種別:土地 持分売り
物件番号:2
所在地:京都市山科区小山西御所町
地目(登記):宅地
土地面積(登記):254.89m2
用途地域:第一種住居地域・第一種中高層住居専用地域
建ぺい率:60%
容積率:200%
持分:43分の1

種別:土地 持分売り
物件番号:3
所在地:京都市山科区小山西御所町
地目(登記):宅地
土地面積(登記):52.98m2
用途地域:第一種住居地域・第一種中高層住居専用地域
建ぺい率:60%
容積率:200%
持分:43分の1

種別:土地 持分売り
物件番号:4
所在地:京都市山科区小山西御所町
地目(登記):宅地
土地面積(登記):83.69m2
用途地域:第一種住居地域・第一種中高層住居専用地域
建ぺい率:60%
容積率:200%
持分:43分の1

種別:土地 持分売り
物件番号:5
所在地:京都市山科区小山西御所町
地目(登記):宅地
土地面積(登記):14.87m2
用途地域:第一種住居地域・第一種中高層住居専用地域
建ぺい率:60%
容積率:200%
持分:43分の1

種別:区分所有建物
物件番号:6
所在地:京都市山科区小山西御所町
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):2階部分 23.99m2
間取り:1DK
バルコニー面積:不明
管理費等:7,000円
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:昭和50年11月
階:2階
総戸数:42

■ポイント■
★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1~6】
なし
4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号6】
本件所有者が占有している。
5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号1~5】
売却対象外の土地(地番〇番〇、〇番〇)を通行のため利用している。
【物件番号6】
管理費等の滞納有

★現況調査報告書より
・建物所有者が本建物を居宅として使用している。
・滞納額|約55万円【令和2年4月調査時点】
・物件1ないし5の土地は、西日本高速道路が所有する東側隣地を介して、東方の建築基準法上の道路(市道)に接面している。当該東側隣地について、占有許可はなく、賃料も徴収されていない。
・物件6の建物は、水道の配管が建物内につながっておらず、水道の利用するためには、工事が必要である。また、プロパンガスの供給も受けていない。

※関係人の陳述等より
【所有者】より
1.私が居住している。
2.水道の配管がなく、水道は使えない。ガスも利用していない。
3.風呂と洗面を利用していないので正確にはわからないが、風呂と洗面から水漏れするかもしれない。

【管理組合法人担当者】より
1.規約共用部分として駐輪場がある。ペットの飼育は不可。民泊禁止規定はない。
2.管理については【法人A】に補助してもらっている。

※執行官の意見より
1.物件6の建物は、所有者が居宅として使用していることが認められる。
2.関係人の陳述及び本件物件の立ち入り調査時の状況等から、認定した。

※間取り及び室内写真より
1.間取りは1DK.和室が一部屋です。
2.トイレ、浴室は一体型です。
3.室内には生活感が感じられる荷物やごみが写っています。
4.上水道はお部屋の前まで引き込みがあるようです。そこから躯体に穴をあけて工事が必要になるのか?いずれにせよ、管理組合と協議が必要になりそうです。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩25分。約2000mと記載があります。
2.接面道路|対象土地と市道の間には西日本高速道路所有の土地が介在している。登記簿地目が公衆用道路であるが、京都市の認定道路及び建築基準法上の道路指定はない。
3.ライフライン|上水道、下水道すべてあり。ガス配管なし。
※マンション敷地内のプロパンガス庫より各戸に供給。
4.マンションの建築確認、検査済み証の発行がなされているが、専用通路を介して許可されたかは不明。建物の建て替え、用途変更などの際には新たな接道条件が付される可能性がある。
5.経済的残存耐用年数は共に約5年とされています。
6.総戸数42戸。4階建ての2階部分。
7.エレベーター、オートロックなし。
8.管理の形態|自主管理
9.マンション全体の修繕積立金|約810万円
10.近い将来の大規模修繕計画の有無|あり(時期未定)
11.修繕積立金の規定はなし。管理費の10%を補修積立金に積み立てる規定有。
12.基礎となる価格として約178万円が評価額として算出されています。
13.評価人の算定額は2万円/月。年間で24万円となります。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
24万円÷69万×100=34.78%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
24万円÷178万×100=13.48%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
24万円÷142万×100=16.90%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

プラス滞納金約55万円が加算されるのと、水道の引き込み、ガスの利用確認。室内の改装などを考慮して入札額を考えましょう

★入札時のポイント

今回は不思議な物件ですね。

まず、

建築確認、検査済み証がなぜ発行されているのか?
建築基準法上の道路に接道していないのに検査済み証があるのか?

水道管の引き込みがされていなのはなぜなのか?
入居者が勝手に引き込みする、しないを選べたのか?

ガスに関しては、プロパンガス庫から供給とあるので、利用申し込みをすれば使用できると思われますが、現在の所有者はどのような生活をされているのか?

お風呂と洗面を使用していないのに、なぜ水漏れするのがわかるのか?

不思議なことだらけ。

お部屋の維持管理や客付けを考えると入札を躊躇しますね。

近隣の賃料が2万円/月。なると魅力も薄い。その反面、室内の改装によっては高い賃料を狙えそうな物件でもあります。

ビギナーには向きませんが、中級者、上級者からするとチャレンジしたくなる物件に感じますね。

個人的には、買受可能価額の55.2万も高い気がします。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。

個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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