競売入札シミュレーション 神戸地裁本庁編R2.10.13開札②

今回は神戸地裁本庁からです。

ピックアップする物件は【1Kマンション】です。

前回の開示が20件。今回は微増の22件が開示されています。
入札期間は9月30日~10月7日です。
開札期日は10月13日となっています。

※入札の際は「陳述書」の記載の不備が無いように注意ください!

事件番号 令和02年(ケ)第1号
売却基準価額 2,220,000円
買受申出保証額 450,000円
買受可能価額 1,776,000円

種別:区分所有建物
物件番号:1
所在地:神戸市灘区六甲町五丁目
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):7階部分 20.88m2
間取り:1K 
バルコニー:南東向き
バルコニー面積:あり
管理費等:22,900円
敷地利用権:所有権
占有者:あり
築年月:平成2年6月
階:7階
総戸数:16

■ポイント■
★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1】
なし
4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号1】
転借人【A】が占有している。現賃借人【法人A】の賃借権は抵当権に後れる。ただし、代金納付日から6か月間明け渡しが猶予される。
5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号1】
管理費等の滞納有。

★現況調査報告書より
・その他の者が本建物を住居として使用している。
・滞納があります。約13万円【令和2年3月調査時点】
・所有者←→賃借人【法人A】との契約内容
①最初の契約等:平成30年1月
②更新の種別:法定更新
③賃料:4万6370円
④敷金:なし
⑤特約等:譲渡転貸可
・賃借人【法人A】←→転借人【A】との契約内容
①最初の契約等:平成30年1月
②更新の種別:法定更新
③賃料:4万1500円
④敷金:なし
特約等:共益費月額8,000円

※関係人の陳述等より
・転借人【A】より
1.私が自宅として使用している。ペットは飼育していない。
2.暮らしの中で支障は感じない。
3.賃借人【法人A】に賃料、共益費を支払っている。
・転借人【法人A】担当者より
1.文書にてご依頼いただければ弊社と所有者との契約書と弊社と居住者との契約書の写しは提示します。

※執行官の意見より
1.賃借人会社から提示された契約書類と居住者の陳述に矛盾するところはなかった。
2.建物は非常に丁寧に使用されており、著しい損傷個所等は存在しなかった。

※間取り及び室内写真より
1.洋室のお部屋です。角部屋のようで2面バルコニーです。
2.浴室、洗面、トイレは一体型のユニットバスです。
3.ミニキッチンがあるようです。
4.室内の写真掲載はありませんでしたが、執行官のコメントにて非常に丁寧に使用されているとコメントがありましたので、恐らく綺麗な状態だと思われます。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩9分。約650mと記載があります。
2.総戸数16戸
3.8階建ての7階部分です。
4.経済的残存耐用年数は共に約15年とされています。
5.エレベーターあり、オートロックあり。
6.マンション全体の修繕積立金は約420万円。
7.基礎となる価格として約356万円が評価額として算出されています。
8.評価人の算定した賃料設定が4万6370円/月。年間で55.644万円となっています。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
55万円÷222万×100=24.77%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
55万円÷356万×100=15.44%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
55万円÷284万×100=19.36%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

今回は、管理費修繕積立金が約2.2万円ありますので、家賃収入から差し引くと、43,670円-22,900円=20,770円が月々の家賃収入です。

こちらの数字で再度計算すると、

20,770円×12ヶ月=249,240円→約25万円としてみます。

計算式1【売却基準価額での計算】
25万円÷222万×100=11.26%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
25万円÷356万×100=0.7%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
25万円÷284万×100=8.8%(表面利回り)

おおよそ半分が経費として支出となりますので、家賃はそこそこ取れているものの、支出が多いため魅力は薄まってしまいました。

総戸数が少ないと各戸の負担割合が増えるのは仕方がありませんが、できれば1万円以内に収まる物件がいいですね。

★入札時のポイント

室内写真がないため、わかりませんが、コメントに非常に丁寧に使用されているというコメントがありましたので、そのコメントを信じるしかありません。なかなかそのようなコメントは見たことがないので、ある程度信用性はあるのではないかと思われます。

今回もサブリース会社が介在していますが、自ら最先の担保権に後れるとコメントを出しているところが何かしらの動きがまたあったのか?そう感じました。

表面利回りを見ると魅力は薄いですが、物件自体は魅力ある物件に感じました。

戸数のわりにしっかりとマンション全体の修繕積立金も貯めておられるのでマンション管理は安心できそうです。

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。

個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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