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競売入札シミュレーション 奈良地裁本庁編R2.10.23開札①

さて、今回取り上げるのは「店舗付き住宅」をチョイス!


奈良地裁本庁


土地が5件・戸建てが16件・マンションが2件で、合計23件の開示です。

前回の公示よりも15件増えました。

入札物件の期間は、

入札期間は10月12日~10月19日

開札期日は10月23日です。

事件番号 令和01年(ケ)第60号
売却基準価額 2,590,000円
買受申出保証額 520,000円
買受可能価額 2,072,000円

種別:土地
物件番号:1
所在地:大和郡山市新町
地目(登記):宅地
土地面積(登記):206.88m2
用途地域:第一種住居地域
建ぺい率:60%
容積率:200%

種別:建物
物件番号:2
所在地:大和郡山市新町
種類(登記):店舗
種類(現況):店舗・居宅
構造(登記):鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺2階建
構造(現況):鉄骨造(一部木造)亜鉛メッキ鋼板葺2階建
床面積(登記):
1階:53.98m2
2階:53.98m2
床面積(現況):
1階:約120.98m2
2階:約109.98m2
間取り:居宅部分(5DKK)
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:昭和60年11月

■ポイント■
★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1、2】
なし
4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号2】
本件所有者が占有している。
5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号2】
本件建物と売却対象外(西側隣家)の隔壁が取り除かれ、両建物が一体として利用されている。

★現況調査報告書より
・建物所有者が本建物を店舗、住居として使用している。
・店舗の名前の看板が設置されている。
・北東角部の接道面において、土地境界を明示すると思われるプレートが確認できた。隣接土地等の境界等を明示するプレートなどの徴表(ちょうひょう)が見当たらなかった。
※徴表(ちょうひょう)とは?
ある事物の特徴を表すもので、それによって他の事物から区別する性質。メルクマール。
※引用|goo辞書より
・目的土地北東側にカーポートが存する
・目的土地南東角部分にスチール製の簡易物置が存する。土台がなく、動産であるとして報告。
・目的南西角部分に大型冷蔵庫が存する。当該冷蔵庫は、土台がなく、動産であるとして報告。
北側の接面に面した2枚の上屋については、道路側に越境している可能性が存する。
・1階店舗は営業されていた。
・1階店舗西側の一部は、西側隣家1階部分の一部との間で壁の仕切りがなくなっており、繋がった間取りになっている。
・債務者兼所有者によれば、目的建物店舗部分を作る際に、隣家との間の壁を取り払って、現状のようなまどりとしたとのことであり、隣家の厨房部分は事実上借用しているとの事である。
※厨房があるのは、今回競売となった目的建物ではありません。
・2階部分は居室。
・増築部分の屋根は、南側において下に傾いており、崩落する可能性がると思われる。写真がありますので確認しましょう。
・2階部分も西側隣家と繋がっている。
・目的建物の屋上にアンテナが存する。携帯電話中継用のアンテナのように見受けられるが、債務者兼所有者によれば、「アンテナは誰が設置したものかわからず、現在は何の用途に用いられていない。」とのこと。

※関係人の陳述等より
【債務者兼所有者】より
1.私が居住している。他人に貸している部分は無い。
2.目的建物1階店舗部分と西側隣家の一部が繋がっている。以前は、西側隣家も私の所有であったことから、隣家との壁を取り払って現状の間取りにした。
3.西側隣家は、現在は他人の所有となっている。
4.西側隣家部分は、事実上借りている部分と言うことになる。特段の契約などを交わしているわけではなく、賃料も支払っていない。

【西側隣家の住民】より
目的建物のことは、債務者兼所有者に聞いてください。

※執行官の意見より
今回はコメントがありませんでした。

※間取り及び室内写真より
1.土地・建物位置関係図より建物の位置関係が見られます。
2.間取り図にも隣家との関係が記されています。
3.未登記増築部分が記されています。
4.室内の店舗、住居部分と生活用品や生活家電などが設置されています。生活感があることが窺えます。

★評価書より
1.最寄駅から徒歩30分。約2400mと記載があります。
2.接面道路|北側幅員約10m市管理道路(建築基準法第42条1項2号道路)
3.ライフライン|上水道、ガス配管、下水道すべてあり。
4.経済的残存耐用年数は共に約0年とされています。
5.間取りは5DKK。
6.基礎となる価格として約981万円が評価額として算出されています。
7.評価人の算定額がないため近隣の事例より店舗付き住宅として見ると8万円/月。年間で96万円となります。

【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
96万円÷259万×100=37.06%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
96万円÷981万×100=0.97%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
96万円÷784万×100=12.24%(表面利回り)

上記のような数字となりました。

★入札時のポイント

今回の物件は、お隣との壁がなくなっているお家でした。
ただ、落札して使用するには隣との壁がないのがネックですね。

どのようにして使用するのか?
壁を作ってやるにはどうするのか?

それらを考えると、価格だけを見ると魅力はありますが、総合的には入札見送りが一番でしょう。

果たして札が入るのか?

開札結果を楽しみにお待ちください!

※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。

個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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