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競売入札シミュレーション 神戸地裁本庁編R2.12.22開札③

さて、今回取り上げるのは「1LDKマンション」をチョイス!

神戸地裁本庁

土地が0件・戸建てが13件・マンションが16件で、合計29件の開示です。

前回の公示と変わらず29件です。

入札物件の期間は、

入札期間は12月9日~12月16日

開札期日は12月22日です。

では、早速見ていきましょう!

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事件番号 令和02年(ケ)第102号
売却基準価額 1,240,000円
買受申出保証額 250,000円
買受可能価額 992,000円

種別:区分所有建物
物件番号:1
所在地 神戸市兵庫区西仲町
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):5階部分 17.24m2
間取り:ワンルーム 
バルコニー:東向き
バルコニー面積:あり
管理費等:10,000円
敷地利用権:所有権
占有者:あり
築年月:平成3年2月
階:5階
総戸数:28

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■ポイント■

★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1】
賃借権
範囲|全部
賃借人|【法人A】
期限|定め無し
賃料|40,000円
敷金|なし
転貸に関する特約
賃借人は、所有者に対して、転借人の情報を開示しないのもとし、所有者は、転借人の選択または変更について異議を述べられないものとする。
上記賃借権は最先の賃借権である。転借人【A】が占有している。

4.物件の占有状況等に関する特記事項より
なし

5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号1】
管理費等の滞納有

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★現況調査報告書より
1.その他の者が本建物を住居として使用している。
2.管理費等|組合費6,000円、修繕積立金4,000円。合計10,000円。
3.滞納額|約2万円【令和2年7月調査時点】
4.所有者と賃借人【法人A】との契約内容
①最初の契約|平成28年4月
②更新の種類|法定更新
③賃料|40,000円/月
④敷金|なし
⑤特約|転貸可
5.賃借人【法人A】と占有者【A】との契約内容
①最初の契約|平成21年2月
②更新の種類|法定更新
③賃料|37,000円/月
④敷金|なし
⑤特約|礼金10万円

※関係人の陳述等より
【物件居住者】占有者Aより
1.私は、平成21年2月から住んでいます。
2.入居時の家主から転々と家主が変わり、現在の家主は【法人A】です。
3.現在の所有者【B】というのは、今日まで知らなかった。
4.室内の什器備品などが経年により劣化してきている。
5.バルコニーには屋根がない。

【法人A担当者】より
1.現在、債務者兼所有者から依頼を受けた弁護士さんの預かり金口座に賃料を振り込んでいる。

※執行官の意見より
1.現所有者【B】と【法人A】とが転貸を目的とする賃貸借契約を締結したことによって、「転借権者」となったことも考えるが、現占有者は、平成21年に賃借して以来ずっと占有し続けてきたものであり、現在の最先担保権者が担保権の設定登記手続きをした際にも占有者であったことを考えれば、本競売手続きにおいては引き受けの対象となる「賃借人」として保護されることが適当であると思料された。

※間取り及び室内写真より

1.洋室1部屋の1Rです。角部屋です。
2.浴室、トイレ、洗面は一体型のユニットバスのようです。
3.室内に洗濯機置き場があるようです。
4.ミニキッチンのコンロはガスコンロのようです。
5.長年住んでいるためなのか、タバコを吸うせいなのか、壁紙以外でも黄ばみと見れる汚れが見受けられます。

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★評価書より
1.最寄駅から約720m。徒歩9分。
2.総戸数|28戸
3.経済的残存耐用年数|約15年。
4.5階建ての5階部分。
5.エレベーターなし。オートロックあり。
6.管理会社|あり【巡回】
7.マンション全体の修繕積立金|約1千万円。
7.基礎となる価格として約188万円が評価額として算出されています。
8.評価人の算定した想定賃料は4.4万円/月。年間で52.8万円となります。

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【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
52.8万円÷124万×100=42.58%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
52.8万円÷188万×100=28.08%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
52.8万円÷150万×100=35.2%(表面利回り)

上記のようになりました。

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★入札時のポイント★

表面利回りだけ見ると、かなり高利回りが期待できる物件です。
しかし、今回は転貸借【いわゆるサブリース会社】となっています。

投資にはよい、「最先の賃借権」がありますが、要注意ですね。

久々に登場のいつものサブリース会社さん。

今回も家賃設定がおかしかったですよね。

自社が支払うお金は毎月4万円。
入居者からもらうのは3.7万円。
毎月3千円赤字です。

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※注意しましょう!
現在、入札する添付書類が増えています。
「陳述書」です。
せっかく調査して、振込して、提出する入札書です。
くれぐれも書き間違い、書き損じ、書き忘れなどがないように注意してください。
これから入札検討される方は、「陳述書」の添付気を付けて下さいね。

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※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。

個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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