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競売入札シミュレーション 神戸地裁本庁編R2.12.22開札②

さて、今回取り上げるのは「3LDKマンション」をチョイス!

神戸地裁本庁

土地が0件・戸建てが13件・マンションが16件で、合計29件の開示です。

前回の公示と変わらず29件です。

入札物件の期間は、

入札期間は12月9日~12月16日

開札期日は12月22日です。

では、早速見ていきましょう!

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事件番号 令和01年(ヌ)第65号
売却基準価額 1,080,000円
買受申出保証額 220,000円
買受可能価額 864,000円

種別:区分所有建物
物件番号:1
所在地:神戸市須磨区友が丘一丁目
種類(登記):居宅
構造(登記):鉄筋コンクリート造1階建
専有面積(登記):5階部分 65.76m2
間取り:3LDK 
バルコニー:南向き
バルコニー面積:あり
管理費等:17,000円
敷地利用権:所有権
占有者:債務者・所有者
築年月:昭和48年11月
階:5階
総戸数:

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■ポイント■

★物件明細書より
3.買受人が負担することとなる他人の権利
【物件番号1】
なし

4.物件の占有状況等に関する特記事項より
【物件番号1】
本件所有者が占有している。

5.その他買受の参考となる事項より
【物件番号1】
・管理費等の滞納有
・本件は団地管理組合の滞納管理費等を請求債権とする競売申し立てである。売却基準価額は、滞納管理費の額を控除せずに定められている。ただし、これにより買受人は滞納管理費等の支払義務を免れるものではない。

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★現況調査報告書より
1.建物所有者が本建物を住居として使用している。
2.管理費等|組合費5,000円、修繕積立金8,000円。合計13,000円。
3.滞納額|約91万円【令和元年11月調査時点】
4.滞納駐車場費に関して、駐車場費未納によって解約された平成29年11月末日までは、月額4,000円の請求であったが、平成29年12月から引渡しがなされた平成30年7月までは、管理規約に基づき1日500円の駐車場使用料が請求される。
5.本件強制競売事件申立ての債務名義取得の為の費用等として司法書士費用約27万円。裁判費用約1.2万円が加算される。
6.滞納管理費等に関しては遅延損害金が加算される。

※関係人の陳述等より
関係人の陳述はありませんでした。

※執行官の意見より
1.集合ポストにはビラなどがほぼいっぱいに詰まっていたので、ドアポストから連絡を要請する旨の通知文書投函したが、立ち入り調査のために室内に立ち入った所、通知文章は玄関付近には存在していなかった。
2.債務者からは本日に至るまで何らの連絡もなかったが、室内には第三者の占有を示すものは存在していなかったことにかんがみて、占有者および占有状況は記載の通り思料した。
3.オートロック、エレベーターはなし。
4.和室の押入れの扉とLDKから玄関に出る部分の扉は壊れて外れたままになっている。南東側和室とLDKとの間の壁は取り外されている。
5.室内には相当な量の動産類が放置されたままで、和室の畳の状況等を確認できなかった部分も多いが、建具などには破損部分も散見できる。

※間取り及び室内写真より

1.間取りは3LDK.お部屋はすべて和室です。よく見かける古いタイプの公団仕様の間取りです。
2.水回り設備として、洗面、浴室、キッチンが写っていますが、入替せずにそのまま利用できそうです。
3.居室には荷物がありますが、山積み状態ではありません。
4.自転車が室内に置かれているようです。
5.室内で仕事をされていた雰囲気を感じます。複合機的なものが見受けられます。
6.一般の方がお住まいだったと思いますが、個人的に嫌な雰囲気を感じます。

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★評価書より
1.最寄駅から約1800m。徒歩23分。
2.総戸数|120戸(全体)
3.経済的残存耐用年数|約5年。
4.5階建ての5階部分。
5.エレベーターなし。駐車場120台(受付順)
6.管理会社|あり
7.マンション全体の修繕積立金|約1億3千万円。
8.基礎となる価格として約443万円が評価額として算出されています。
9.評価人の算定した想定賃料は6.4万円/月。年間で76.8万円となります。

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【では、入札時のシミュレーションを見ていきましょう。】

計算式1【売却基準価額での計算】
76.8万円÷310万×100=24.77%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
76.8万円÷443万×100=17.33%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
76.8万円÷354万×100=21.69%(表面利回り)

上記のようになりました。

今回は滞納額が100万円近くあるので、滞納含めて再計算します。

計算式1【売却基準価額での計算】
76.8万円÷(310万+100万)×100=18.73%(表面利回り)

計算式2【基礎価額での計算】
76.8万円÷(443万+100万)×100=14.14%(表面利回り)

計算式3【計算式2より2割減で求める計算】
76.8万円÷(354万+100万)×100=16.91%(表面利回り)

上記のようになりました。

滞納含めると20%を下回ります。
改装費の兼ね合い含めて考えると、計算式3の354万円あたりが目安のラインでしょう。

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★入札時のポイント★

駅から遠いのとエレベーターなしの5階部分。
不動産投資物件として考えると魅力的ではないです。

ただ、個人的にこの手のマンションは好きなんですが💦

古くて、公団仕様の建物は色々と工夫で家賃も狙えたりすると比較的競争相手も少ないので、安めに落札できる可能性があります。

徒歩10分圏内で、エレベーターなしでも3階までであれば、お勧めなんですが、今回はちょっとお勧めまではできません。

それと、久々に室内写真を見て、警戒感を感じました。

それも含めて、この手のタイプは現地管理人にヒアリングをしたいのですが、管理人はおいてないみたいなので、やりにくい💦

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※注意しましょう!
現在、入札する添付書類が増えています。
「陳述書」です。
せっかく調査して、振込して、提出する入札書です。
くれぐれも書き間違い、書き損じ、書き忘れなどがないように注意してください。
これから入札検討される方は、「陳述書」の添付気を付けて下さいね。

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※筆者の紹介

前職の会社で約2年半で競売物件60件程度の落札、占有者交渉、リフォームプランニング、売却を手掛ける。

現在は、自身でも入札をしています。
個人的に入札するのは、表面利回り20%以上の見込みがる物件のみです。
なので、ビギナー向けではありません。
これから不動産投資を始めたい、競売で購入したいとお考えの方はビギナー向けの物件から始められるのがよいでしょう。

個人的には1R,1Kタイプがお勧めです。収入は低くなりますが、マンション全体の管理を管理会社がしてくれるので、御自身の負担は少ないです。

勤め先の会社では強制執行をしなくても良いように占有者との交渉で対話を重ねる。結果、自身担当での強制執行は0件。現地調査、裁判所記録閲覧、3点資料の読み込みにより写真から占有者の性格等を読み込み、入札する、しないなどを選別する。反社会的勢力の所有が疑わしい物件を写真から判断。そして現地管理人へのヒアリングで確認すると的中するように至る。

やり方がわかれば簡単です。何か難しそうであったり、落札後のリスクが読めないため入札を躊躇される方も多くいらっしゃると思います。ですが、しっかりと注意点を抑えていけば何も難しくもなく参加できるので、安く買いたいとお考えの方は一度競売を考えてみてはいかがでしょう?

現在下記のホームページでも競売投資のお話も書いています。

併せて読んで頂けたら幸いです。


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