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「求める人物像は、人柄が良いだけではないよね。そうすると、その研修でOK?」~町工場の夫は准教授
ご無沙汰しております。ちょっと何かがあると、記事を書くことを止めてしまいますね。決して、「プラモつくり」ばかりしているということではありません。
さて、おかげさまで、ある会社さんで10年以上継続している新任管理者研修や、千葉の生涯学習センターさんでの講演も控えておりますが、ここ数カ月考えていることを。
はじめに
小規模事業者にあたる製造業の方々と、毎月、ミーティングをしています。ここでいつも話題となるのが、「採用」について。
そして、町工場の娘も小規模事業者の製造業にあたりますので、同じように採用ということについて考えているようです。
毎回、採用についての話はつきないという感じです。そして、ミーティングに参加している企業さんの強みの根源となる、「人」。その求める人物像について、大体共通していることがでてきます。
もちろん、町工場の娘からの話も、共通しています。
そこで、今回は「求める人物像」とその研修についてです。
求めている人物像
「製造業」となると、技術職でその道に精通しているか、その道の基礎力がある人物とかまじめで、素直とか人柄を出してきますが、よくよく聞いてみると、求めている人物像は、人柄やら技術力ということより重視している人物像があるようです(おそらく当事者は意識していない)
何かというと「マルチスキル」を求めています。これは、町工場の娘と何気なく話しているところからも、伺えます。
じゃあ、「マルチスキル」を求めているとは何か?
「マルチスキル」を求める背景
製造業業界に限らないですが・・・競争、効率化、生産性の向上を追求しなければなりません。
そうすると、従来の「技術スキル」だけでなく、複数のスキルを持つマルチスキルな人材が求められています。つまり、「モノを作れる」ということだけではないということです。
かつては、社長や専務がマルチスキルを発揮し、その指揮に従って技術スキルを発揮している社員がいるという構造でよかったのかもしれません。
しかし、競争、効率化、生産性の向上に加えて、労使関係の変化あいまって、その構造では限界がきているということです。
そして、スキルの幅広さに対応できる人材が不足している状況といえるでしょう。
「マルチスキル」だけでななく、もう一つ
マルチスキルのほかに、チームワークとコミュニケーションの不足という課題もでてきます。
製造業では、製造プロセスにおいて、個々の社員が連携して作業を進める必要があります。
しかし、チームワークや効果的なコミュニケーションが不足し、生産性や品質の低下、ミスやトラブルの増加などが生じるという事態にもなりかねません。そこで、チームワークとコミュニケーションスキルということも、求められています。
そんな人物なんて、簡単に見つからないよ
まじめで、素直といった人柄を求めていても、実際には「マルチスキル」「コミュニケーションスキル」を持つ人材を求めているとなると、中々見つからないというのが現状でしょう。
そして、「入社後の研修でスキルを伸ばす」といっても、その研修内容如何によっては、中々成長を促すことができないということに。なぜぜなら、「マルチスキルを求めている」のが無意識だからです。
そうすると、社員研修の内容としては「マルチスキル」を身に着けるという方向性でプランを考えていくということを意識的にしていくということです。
「マルチスキル」を身に着けるために
「マルチスキル」を身に着けるためには、「教養」から始めていくということです。例えば、以下のようになってきます。
経営学の視点
効率性、収益性、戦略的な意思決定などは、経営学の知識になります。
少し具体化すると、財務管理、リーダーシップ、マーケティング戦略などであり、経営学的な視点となります。企業の長期的な成長や競争力の維持という視点から仕事に取り組むという姿勢につなげていくということです。
社会学の視点
個々の社員や部署が連携して生産プロセスを円滑に進めていくために、効果的なチームワークや協力が必要です。
これは、組織内の「社会的関係」や「組織文化」によっても影響を受けます。この社会的関係や組織文化という点を紐解いていくのが社会学的な視点ともいえます。
法律学の視点
コンプライアンスと労働環境の改善を同時に実現するためには法律知識も必要です。例えば、労働働環境改善のための法的枠組み(労働災害予防、セクシャルハラスメント対策、労働条件の見直し、ワークライフバランスの促進など)です。労働環境改善により生産性向上を図っていきます。
また、法的リスクを最小限に抑えるために、コンプライアンスの重要性というものも認識が必要になります。
いずれにしても、「技術」という専門性に、多様な能力を身に着けていくということになりますね。
おわりに
もちろん、素直であるとか、向上心があるといった人柄も重視ということは変わりありません。責任感であるとか、協調性とか、積極性とかですね。
ただ、無意識のうちに「マルチスキル」を求めてしまっていて、研修もその求めることに対応していないということになっていないでしょうか?
理念を浸透させる!とか、ビジネスマナー!ということも、もちろん大切ではありますが。
小規模だからこそ、マルチスキルを発揮できるフィールドであり、自主性や向上心をくすぐるということもできるかもしれませんね。
ちなみに、准教授は「くすぐる」のが大好物で、大学の講義では法律に加えて、経営学、社会学、行政学、政治学や歴史からお話をしたりしています。
是非、考えてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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