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【日記】換気の歌

なにかに怯えるように創作や趣味に没頭している。
たぶん邪念や後悔に支配されることに怯えているのだと思う。
学んでいる間は余計なことを考えずに済む。
作りかけのもの、設計段階で止まっているもの、あと一歩で閃きそうなもの、そんなものがたくさん散らばっている。
枕に顔を埋めて足をばたばたさせている時間はない。

とはいえ。
とはいえなのだ。
こんな雨の秋の夜。
よろよろと過去が歩み寄ってくる。
言えなかったことも、言わなきゃよかったことも、間違った選択も、間に合わなかったことも、もはや時間でも戻さない限りどうしようもないのに。

思い出話なんてしたくない。
今なにができるかの話をしたい。
今この瞬間だけが現実であり、真実だ。
過去や未来は嘘やフィクションとなにも変わらないのだから。

とはいえ。
とはいえなのだ。
ちょっとだけ、ほんの一瞬だけ、先っちょだけ枕に顔を埋めてばたばたさせてほしいときもある。
過去や後悔を受け入れるにはまだ思い出がフレッシュすぎるし、悲しみの濃度が濃すぎるのだ。
狭い密室で屁をした直後みたいに。
だから受け入れるのはもう少し先、心の換気が進んでからにしようと思う。

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