【日記】海に降る、誰も知らない雨音
今日も雨音が屋根を打つ。ため息はつかない。濡れなくてよかった、と思う。
世界のどこかでは今まさに雨に打たれながら耐えている人がいるのだ。冷えた指先で濡れた靴下がずれるのを何度も引っ張り上げながら、背筋の悪寒を筋肉の強張りで耐え凌ぎ、柔らかく乾いた部屋を夢に見ながら歩き続ける人が。
それに比べれば、雨音がほんの少し憂鬱にさせることなんて些細が過ぎるというものだろう。
僕をいつか打った雨は、今はもう巡り巡って誰かの涙になっていたりするのだろうか。
そんなものは早く乾いてしまったらいいのに。
コメディでも書くことができたら、僕を打った雨を今その目から流している人を笑わせられて、涙が乾く手伝いをできるかもしれないのだけれど。
そして乾いた涙は雲になり、どこかの海に降る。
大海原の真ん中に降る、誰も知らない雨音。
渡り鳥なら知っているのかもしれない。
もしもその音を知っている渡り鳥がこの日記を読んでいたら教えてほしい。
その音がどれだけ孤独か、そしてどんな美しさなのか。
やべぇ、500文字ぴったり日記なのに書くことなくなっちゃった。
今日見た犬の話でもしようかな。
対向車の助手席にでかいレ
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