■2020/8/11(月)~12(火)-川の字決壊

■2020/8/11(月)初の親子水入らずと川の字決壊

昨晩。ベビーベッド越しの娘じゃ耐えきれなくて、布団で一緒に横になる。可愛すぎる。かぶりつき。ほっぺに初チューもした。自分の声も、自ずと甘くなってる。

ほっぺた、関節が柔らかい肉でふにふにしてる感じも、無防備で健やかに眠る感じも、小さな手も、ちゅるんとしたまつ毛も、チューブのせいかちょっとへちょっとなり始めてる鼻も、ちゃいろがちの眉毛も、全部かわいい。このまま時が止まればいいのに、と恥ずかしげもなく言えるほど。

「幸せ」より、「多幸感」という言葉の方がしっくりくる。心地よい感情に、全身をやさしく包み込まれている気分だ。

(すくなくとも今は)「障害」に関しては、もはやどうでもよくなっている。しこたま苦労するだろうが、手にした武器でもって楽しく生きていこう。

だけども。「長く生きられないかも」という可能性の方が、心に影を落とし続けている。

娘の存在が眩しければ眩しいほど、その影も強くなる。多幸、なのは間違いない、けれど、脳裏にある影も決してなくならない、のが、事実だ。

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昨晩は、帰ってきたばかりで娘も疲れていたのかな?遠慮なき夜泣き。抱くとピタリと止むので、抱き癖がつきそうだ。

娘の生活スペースは1階にまとめた。見守りカメラつきのベビーベッドの隣には、大人が寝る用のパイプベッドが1台。2階には布団を一式。つまり、大人(僕と妻)は1階と2階で別々に寝るスタイルだ。どちらが1階(つまり娘の面倒を見ながら)寝るかは、その時によって変更。二人して娘に付き添い寝不足になるより、休む時はしっかり休む方がよかろうに、ということで今の形に。

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で、今日は、ついに家族3人水入らずで丸々一日過ごせる初めての日だ。何をしていたわけではないが、妻と二人で娘のお世話。(これも今だけかもしれないが)オムツの交換も、ミルクをあげるのも、泣きはらすのも、ほぼ苦にならない。と、いうか、いかんせんスタートが絶望から始まっているせいか、なんてこともない普通のことも、できている事実が嬉しくてたまらない。「はー良かった。超泣いてる」…てなもんだ。

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夜、一階のリビングに無理やり布団を2組敷いて、3人川の字で寝る。子供が生まれる前は、「川の字」などびた一文も興味がなかったのだが、嗚呼、無常。今となってはやりたくて仕方がないというか、娘と並んで眠りたい! 妻は…妻は、まあ、うん、いてもいい!

が、自分のミルク当番が終わり本格的に寝に入った結果、どうやら僕の寝相の悪さがさく裂したようで、娘の身を案じた妻が真ん中にいる娘を僕から引き離し、娘を庇うように眠り込んでいた…川の字…決壊…確かに…いつもの僕なら寝返りついでに娘に裏拳かましかねない…けど…無意識ともいえる睡眠は、治外法権だ…そこは…許してほしい…

■2020/8/12(火)ドッキリヘビー級

昼前、友人二人が来る。隣の敷地に建っている実家から、重い棚を移動するのを手伝ってほしいと、頼んできてもらった。

が、実は、友人のうち1人・友人Aは僕に娘がいることも、娘の身に起きていることも知っているが、もう一人の友人・Bに至っては娘がいることはおろか、妊娠していたことすら知らない。ここで突然、すべてを伝える――という、ヘビー級のドッキリだ。

もともとは、「実は子供がいる!」というドッキリをしかけたいために妊娠したことすらほぼ誰にも言ってなかったわけであるが、ちょっと今は、娘の病気のことや障害のことを伝えた時に、どういう反応をするのか知りたい、という思いもあった(や、もちろん、それを繰り出していい間柄、というのが大前提にあってね)。

どう伝えるか、伝えたときどう思うのか、みたいなのは、今の僕と世間的なものとでは、既にずれが生じてきている気がする。「障害」も、当事者として割とフランクに使うようになったが、やはりそうでない人からすればそのパンチ力は計り知れない…はず。

ということで、何も知らない友人Bに、子供の報告。続けざまに、障害、病気のことも明かるげに伝える。結果、友人B、涙ぐむ。

友人B「え、ほんとすか!?もう、感情ぐちゃぐちゃっすよ!帰って泣きますよ!いやほんと・・・」

続けて、こうして実際の娘を見ながらこれらを聞くのと、口頭だけで聞くのとではどちらが辛そうかと聞いてみる。

友人B「こうして実際の赤ちゃん見ながらの方が、つらいすね…実感入っちゃう感じで…。でも、今は元気ですよね。それは良かったっす」

なんて、とても良い友人。ちなみに、隠しカメラ2台で友人Bの反応を録画してたことを伝えてみると…

友人B「あんた狂ってるよ!(笑)」

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その後、友人A・Bと共に茶しばきながら歓談。もとより事情を知っていた友人Aからは出産祝いとしてベッドメリーを貰う。

妻は途中で抜け、娘と共に実家へ。ここから週末まで妻と娘は実家にお泊り(もともと、出産後1か月は実家でお世話になる予定だったのだ)。

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肝心の棚移動もしつつ、夕方頃、解散。

明日からまた一人の生活が始まる。

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