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Count 10 of fabness

 「count 10 of fabness」この言葉は、私が19歳の時、当時仲良くしていたイギリス人の友人が、私の日記帳のすみっこに書いてくれた言葉だ。(今調べるとそんな単語はないので、多分彼女が作った造語だったようだ。) とてもネガティブで落ち込んでばかりいた私。そんな私を励まそうと、「今日あったいい事を10個書いてみて」と彼女は言った。10個もいい事なんてないよ。当時の私はそう思っていた。
 
 あれから何十年も経って、今私は寝る前に、今日あったいい事を数えてから寝ている。そうすると不思議と眠りにつける。今日は散々だった。そんな日も数えてみると何かいい事はある。決して大きな事ではない。宝くじが当たったとか、好きな人に告白されたとか、飛び上がるようないい事ではない。小さな幸せを見つけるのが上手くなったと思う。
 
1.      今日もちゃんと朝起きられた
2.      ニャンズ(猫たち)が今日も可愛い
3.      パートナーが元気で笑顔でいてくれる
4.      朝ご飯に美味しいフレンチトーストが作れた
5.      noteに投稿できた
6.      お昼に買ったパンが美味しかった
7.      ミントティーが美味しい
8.      水回りの掃除ができて運気アップ
9.      ネッフリのドラマが面白かった
10.     空がきれい
 
 こんな感じだ。ご飯が美味しかった系が多いかもしれない。体調をひどく崩して食べられなかった時期があり、食べられることが当たり前ではないことを知っている。当たり前や日常と思っている事が、何より尊くありがたい。
 
 私にcount 10 of fabnessを教えてくれた友人は、当時、父親が刑務所から出所してきたばかりだった。普段の彼女はいつも笑顔でやさしく、みんなの人気者だった。彼女の父親の話を聞くまでは、とてもそんな苦労をしているなんてまったく分からなかった。きっと彼女も小さな幸せを数えながら、一生懸命生きていたのだろう。
 
 今もイギリスにいるのかは分からないが、遠い空の下どこかで、彼女が笑顔でいてくれたらと願う。Jen、私もcount 10 of fabnessしながら、あの頃よりは幸せに生きているよ。

#ウェルビーイングのために

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