和のマイホームの建て方no9(業者への質問)
~プロが教える土地の購入から注文住宅を建てるまで~
業者に聞くべき質問リスト
ここまで土地の探し方から住宅ビルダーの選び方、どんな性能の家を建てるべきか、そして契約時のチェックポイントなど、令和のマイホームづくりに必要な事柄を一通り説明してきました。
それぞれのプロセスでは当然ながら、不動産会社の営業マンや業者などとやり取りを繰り返しながら、不明な点をクリアしていかなければなりません。
しかし土地探しや住宅ビルダー選びのために業者を訪れても、おそらくは彼らのメリットばかりを聞かされるでしょう。
そのため理想の家づくりを実現させるためには、こちらから積極的に質問して、必要な情報を引き出していかなければなりません。
とはいえ、そもそも初めての家づくりでは勝手が分からないことも多く、どんなことを質問したら良いのか分からないという人も多いのではないでしょうか。
そこでこのセクションでは、土地探しと住宅ビルダー選びのそれぞれで、業者に聞くべき質問のリストをご紹介したいと思います。
土地選びのための質問リスト
マイホームを建てるための土地を探す場合、まずは次のような広告を頼りにめぼしい土地の目星をつけるはずです。
まず確認するのは、価格と土地面積。そして建ぺい率と容積率です。
面積、そして建ぺい率と容積率が分かれば、その土地にどのくらいの大きさの家が建てられるかが判明します。
しかし広告に記されていない情報についても家づくりには大切で、それらは業者に直接尋ねなければなりません。
例えば夢のマイホームまでのステップ5:契約時に確認すべきことでも説明したとおり、土地を選ぶ際にはハザードマップ、斜線制限、道路計画などについてもしっかり確認しなければなりません。
それらの条件によっては、自分の思い描いている理想の家をその土地に建てることはできないかもしれないからです。
最近はわざわざ現地を訪れなくても、ネットでその土地に関する様々な情報を入手できます。
住所が分かれば、ハザードマップや計画道路についても自分で調べられますよね。とはいえ、やはり不動産会社や担当者に問い合わせるのが確実ですし、時間の節約にもなるでしょう。
また例えば居住中の物件など、詳細な住所が公表されていないケースもありえます。そうした場合もやはり、直接尋ねるのが確実ですね。
では、広告を元にどんなことを尋ねたら良いのでしょうか?
次のチェックリストを参照なさってください。
<土地選びの際の質問リスト>
事前にこうした点を尋ねておけば、購入すべき土地かどうかの目星がつきやすいはずです。
今は住所さえ分かれば、Googleマップなどでその土地や周囲の状況も簡単に確認できますので、わざわざ現地に赴く必要もありません。
質問リストを使ってしっかりと確認すれば、候補地を絞り込むことができるでしょう。
また基本的に土地の値段は売り主の言い値ですので、値段交渉をする価値は十分にあります。
その際には、次の点を尋ねてください。
<土地の値段交渉時の質問リスト>
値段交渉が可能な場合、目安の金額は地方の物件で売出し価格の1~2割ていど。あまり無茶な値引きは取引自体を難しくさせかねませんので、注意してください。
物件の価格にもよりますが、都内では5%くらいが上限でしょうか。実際に多いのは、端数切り程度の値引きです。
また基本的に値段交渉は、購入の意志のある土地のみにしておきましょう。相手が値段交渉に応じたにも関わらず自己都合で購入をキャンセルしてしまうと、その業者から土地を購入するのも難しくなるかもしれません。
住宅ビルダー選びのための質問リスト
土地を購入した後は家を建てる建築会社と建物請負契約を結んで、マイホームづくりをお願いします。
その建築会社を選ぶ際には、夢のマイホームまでのステップ3:家の工法と性能についての考え方でも説明した通り、気密性と断熱性の高い、高性能の家を建てられるか?という観点で選んでください。
では、その建築会社が高性能の家を建てられるかどうか判断するために、どんなことを聞いたら良いのでしょうか?
家の性能は基本的に、数値という客観的な物差しで測れます。
そのため、次の数値を達成できるかどうを聞くのが最も手っ取り早いでしょう。
最近では家の性能を表すこうした数値についても、だいぶ一般的になってきました。
しかし大事なことは、これらの数値を達成するためにどんな施工方法と管理方法を取っているか?ということです。
例えばC値は気密測定を行いますので、ハッキリとした数字として出せます。しかしUA値は設計上の理論値ですから、職人さんの腕が悪いと想定した数字を出すことはできません。
そのため、単にこの数値を出せるかどうか?だけではなく、この数値を出すためにどんなことをしているのかを尋ねるのです。会社の施工管理のポリシーなどを聞いてみるのも良いですね。
ただし、当然ですが家の性能とコストは比例関係にあります。
断熱に対する意識もだいぶ上がってきていますので、建築会社各社も高断熱の家づくりに注力しています。
家の断熱性能を表す「HEAT20」で最高等級となるG2、そしてそれをさらに上回る新しい基準のG3レベルの家づくりを行っている建築会社も少なくありません。G3の家ならば冬場でも体感気温が15℃を下回らないとされているので、省エネの家となります。
しかしG3レベルの家づくりとなると、大まかの目安として建築費に200万円程度の上乗せは覚悟しなければなりません。
快適な住まいに必要な断熱性能は地域や場所によって異なりますし、人によっても考え方はそれぞれです。
エアコンなどの家電製品もかなり省エネになっていますので、トータルで検討した上で費用対効果をしっかりと説明できる会社を選びたいものです。
ではそうした点を含めて、住宅ビルダーを選ぶために聞くべき質問リストが、以下のようになります。
この質問リストを使って、自分の家づくりのパートナーとして最適な建築会社かどうかを見極めてください。
<住宅ビルダーへの質問リスト>
これらの質問に対して、明確で分かりやすく回答してくれる建築会社なら、安心して家づくりを任せられるでしょう。
何しろ高いお金を払って、念願のマイホーム作りをお願いするわけですから、しっかりと質問して自分の夢を託せられるかどうかを判断してください。
建築会社が絞られたら、さらに追加の質問をして最終的な結論へと至りましょう。
<住宅ビルダーへの追加の質問リスト>
これらの質問リストを元に、この住宅会社なら任せても大丈夫!となったら、いよいよ建物請負契約を結びます。
契約時にはこれまで打ち合わせしてきたことの確認を行います。内容に間違いがないかをしっかりと確かめてください。
質問するのが苦手な人はどうするか?
自分の理想通りのマイホームを建てるためには、まずは自分自身がしっかりとしたイメージとプランを持っていることが大前提ですが、その考えを他者(業者)にキチンと伝えて共有しなければなりません。
また土地を購入するにも建築ビルダーを決めるにも、常に業者との交渉となります。
そのため、業者との密なコミュニケーションは不可欠なのですが、素人の立場でプロの業者に対して質問をぶつけることに気後れを感じてしまう人も多いでしょう。
また建築会社の営業マンにもまだまだ対応の悪い人がいるという現実も、消費者と業者との良質なコミュニケーションを阻害する大きな要因となっています。
まず返事がない。何度電話しても担当の営業マンが不在。折り返しの電話もかかってこない。そんな営業マンに細かな質問をぶつけても、うるさい客だ!と余計に関係がギクシャクしてしまうのは目に見えていますよね。
そんな営業マンはこちらから断れば良い!と思うかもしれませんが、それもなかなか難しい。
ポータルサイトの物件情報から会社に問い合わせを入れると、その物件を担当している営業マンとのやり取りとなります。その営業マンの対応が悪いからといっても、そう簡単には交代をお願いできないでしょう。そもそも会社が応じてくれるとも限りません。
さらに質問すること自体は問題ないとしても、業者の回答を十分に理解できるかという問題もあります。
何しろ一生にそう何度も経験することのない、土地を買って注文住宅を建てるというビッグプロジェクトです。自分一人で本当に正しく判断できるかと、不安を感じるとしても無理はありません。
でも、あまり心配なさらないでください。
そうした人のために、不動産エージェントという存在があるのです。
不動産エージェントはあなたに代わって業者と交渉し、あなたに的確なアドバイスを与えてくれるマイホーム作りの『代理人』です。
不動産エージェントという家づくりのプロに頼れば、業者との煩わしいやり取りから開放されるだけではなく、イメージ通りの家を建てるための最適な方法を一緒に考えてくれます。
そんな不動産エージェントを頼るメリット、そしてどのように不動産エージェントを選んだら良いかについては、次回さらに詳しく説明していきます。
ぜひお楽しみに!
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