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レンゲで食べる

 中華料理屋でチャーハンを食べるとき,レンゲでは食べにくいのでスプーンを出してくれたらよいのに,と思ったことありませんか?私はいつも思います。どうしてレンゲでは食べにくいのでしょう。

 この原因の一つに,レンゲの深さがあります。スプーンで食べる時には,スプーンを上下の唇ではさみ,スプーン上の食べ物を上唇を使って口の中へ取り込みます。レンゲの場合はスプーンより深さがあるため,レンゲの一番深いところまで上唇をもっていこうとしてもなかなか届かず,レンゲにのっている食べ物を上唇で口の中へ取り込むのが難しくなり,食べにくさを感じるのです。

 レンゲで食べにくさを感じない人もいるかもしれません。スプーンのような底の浅いレンゲを使っている場合です。このような場合は,上唇がレンゲの底まで届くため,食べにくさを感じなくて普通です。一方,ラーメンについてくるような一般的な深いレンゲでも食べにくさを感じない場合は,少し問題を抱えているかもしれません。上唇の代わりに,舌や歯などでレンゲ上の食べ物を口の中へ取り込んでいる可能性があるのです。このような食べ方の人は普段から上唇をうまく使えないことが多く,口がポカンと開きやすくなったりします。

 皆さんも一度,レンゲでなくスプーンでよいので,スプーン上の食べ物を上唇で取り込んでいるかを意識してみてください。もしスプーンに舌や歯が当たっていたら,当たらないように注意して,上下の唇だけでスプーンをはさむようにしてみてください。これを毎日意識することで,口元の感じもよくなっていくと思います。


2019年8月の院内紙より,一部改変して掲載しました。
転載禁止です。

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