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原爆ごときで騒ぎすぎじゃね

ごきげんよう、藤川愚痴子よ。
 ここ最近、映画「バービー(Barbie)」が炎上騒ぎになっているわ。
ことの発端は、バービーと同日上映された別の映画にあるの。

バービー人形を題材にしたグレタ・ガーウィグのファンタジーコメディ映画『バービー』と、マンハッタン計画の中心人物として核兵器開発に携わったロバート・オッペンハイマーを題材にしたクリストファー・ノーランのスリラー映画『オッペンハイマー』という、作風が「正反対の作品」が同じ日に劇場公開されるという事態がインターネット上で話題となった。

Wikipedia「バーベンハイマー」より引用

キャピキャピのバービーと、重苦しいオッペンハイマー。
 その2つをかけ合わせたコラ画像(ミーム)が、ネット上で出回るようになったということね。

 内容としては、きのこ雲をバックに笑顔を見せるバービーなんかが主流ね。

今回の炎上騒動は、こういう悪ふざけが流行ったから…ではないの。
 こともあろうに、バービーの公式ツイッターが、この流行りに便乗するような反応を見せたから、日本人を中心に怒りを買う結果になったらしいの。

【そもそも、向こうでいう「ジョーク」とは何か?】

 アテクシが、こうした不謹慎なジョークをたくさん目にして気づいたことは、日本人とアメリカ人では、ジョークに対する受け止め方がまるっきり違うということよ。なんとなく分かってきたの。
 アメリカ人のジョークのとらえ方について、個人的に感じた特徴を簡単に述べていくわ。

1: ジョークは救いの手でもある

 まず、彼らがジョークとして消化するコンテンツは基本的になんでもアリよ。雑食なの。
 アウシュビッツだろうが天安門事件だろうが、そして911や乱射事件といった自国の出来事であろうが、好き嫌いせずパンチの効いたジョークに仕立て上げるわ。
 これは主観でしかないのだけれど、アメリカ人は悲劇を悲劇のままにしない考え方を持っていて、あえて笑いものにすることで
「大した問題じゃないぜ! まぁそうクヨクヨすんなよ!」
…という風に、クールかつクレバーに受け流そうとする傾向にあるわ。
 ぶっちゃけ今回の炎上に関しては、アメリカ人の内輪ノリでやっていた原爆ネタがたまたま日本人の目について、水を差してきた構図として世界は見るでしょうね。

2: ジョークにノれないやつはダセぇ

 自由の国という耳触りのいい二つ名を持つアメリカだけど、実は「こうあるべき」という偏見がものすごく強い国なの。
 人種にしろ、性別にしろ、職業にしろ…
ある種、日本にも負けず劣らずの面倒くさい性質なのよ。
 そして、「ジョークを言われたからにはジョークで返すべき」という考えが、この「こうあるべき論」に当てはまるわ。

 今回の原爆ネタに関しては
「おいおい、ダサい日本人がド直球にキレてるぜ。ジョーク皮肉も返さねぇ。ただ単に講釈たれてやがる。上手いことが言えねぇなら、いっそのこと黙ってろよなwww」
…という目で見られているに過ぎないわ。

「外国人にも善悪の区別くらいつくだろう」
「頑張って主張すれば分かってもらえるはず」

そんなものに期待するくらいなら、宝くじの1等にでも望みをかけるほうがまだ建設的だわ。


そもそもアメリカにとっての原爆は…

 アメリカでは「原爆は戦争を終わらせるために必要だった」という考え方が主流だし、そういう風に教えられている。

 実はアテクシ自身も、小学生の頃から今にいたるまで同じような考えを持っているの。
 もちろん原爆で、多数の人間が痛みや苦しみにもだえながら亡くなっていったことは悲しいことだけど、感情論を抜きにして考えたときに、原爆を落とすメリットは充分にあった。

 戦争を終わらせるというのも確かにそう。圧倒的な力の差を見せつければ、諦めもつくでしょう。
 そして、新しく作った「原子爆弾」の威力を試す絶好のチャンスでもあった。
 何より、アメリカにちょっかいをかければ地獄を見るということを、世界への見せしめにできた。

 時代は戦争まっただ中。一般人だろうが軍人だろうが、敵であることに変わりはない。
 民間人であったとしても、子どもは戦場に出るための訓練を受け、女は労働力として作用した。高齢者も敵対心を持っているだろう。
 戦時下である以上、敵国に住む者は民間人であろうと敵なのよ。直接的にも間接的にも、敵でしかないの。

 もしかすると、日本が早めに降伏して、ドイツやイタリアが残っていれば、そのどちらかに原爆が落とされていたかもしれない。
こればっかりは運も絡んでくるわね。


君たちは悲劇とどう向き合うか

 実際問題、日本人以外で原爆のことをより詳しく、より深刻に考えている人は、海外には数えるほどしかいないわ。
 私たちが教科書になんとなくマーカーを引くのと同じ感覚で、世界的に見れば原爆は、たくさんある歴史のイチ項目に過ぎないの。

 だから、日本人がどれほど真剣に訴えかけても

「世界には原爆と同じかそれ以上の悲劇があるというのに、日本人はいつまで経っても被害者ヅラをしている。いい加減、陰気くさい顔をするのはやめて、もっと前向きになればいいのに」

…という風に思われるのがオチよ。
「すっかり癒えた傷あとを、いつまでもさすり続ける軟弱なやつら」
そうとらえるの。

 アメリカ人にしろそれ以外にしろ、もちろん外国人のみんながみんな悪い人じゃないわ。
穏やかで、賢くて、日本にリスペクトを持つ人もたくさんいるの。

…万が一、外国人に原爆をネタにされたとき、それにどう答えるかは自由よ。
怒ってもいいし、頭を使って言い返してもいいし、無視したっていい。

 だけどね、言いたいことはいろいろあるけど、これだけは言える。

くれぐれもナメられるな、日本人!
もっと強く賢くなれ!

 どれだけ論理的に考えようとも、日本人に生まれたこの体が、この精神が、どうも複雑な気持ちにさせてくれるのよ、これが。

 気にしないことが一番なんだろうけど、もし話題を出されたら。
ヘラヘラとネタにされようもんなら…

このアテクシ、藤川愚痴子も頭をフル回転させてひと泡吹かせてやるから。

 みんなもどっしりと構えてちょうだいな。

藤川愚痴子でした😌

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