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北前船・近江商人

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2021年10月の記事一覧

船員と行商のムラ、日本最古の油田……越後の北前船寄港地巡り②

船員と行商のムラ、日本最古の油田……越後の北前船寄港地巡り②

石油事業も手がけた北前船主

 新潟市内の北前船主の屋敷は2年前に訪ねたことがある。
 新潟駅前から北上して6連アーチの萬代橋(重要文化財)で信濃川を渡り30分ほど歩くと旧小澤家住宅だ。

 江戸時代は米穀商だったが、明治になって回船経営に乗り出し、運送・倉庫・回米問屋・地主経営・石油商などの事業を展開した。現在も「新潟米油販売株式会社」という会社で、新潟空港の給油施設で飛行機の燃料を補充する業務

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俳句も石油も出雲神話も……越後の北前船寄港地巡り①

俳句も石油も出雲神話も……越後の北前船寄港地巡り①

 北陸3県の北前船ゆかりの地は2014年に自転車で巡ったことがある。今回はそのつづき。新潟県の北前船の寄港地を車で西から訪ねてみた。

直江津、室町時代から重要港
 かつての直江津(上越市)は「今町湊」と呼ばれ、室町時代の「廻船式目」では、全国の主要港「三線七湊」のひとつにあげられた。北前船が活躍した江戸時代には、高田藩の外港として、船で運ばれた来た産品を城下町の高田や信濃へ運び出す拠点となった。

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北前船の起点 住吉大社と天保山 信仰に支えられた経済活動

北前船の起点 住吉大社と天保山 信仰に支えられた経済活動

 住吉大社は熊野古道を歩く途中立ち寄った。古道は住吉大社の東にあり、裏口から参拝する形になった。
 今回、住吉大社が北前船と深い関係があると聞いて再訪することにした。

住友の基礎をつくった江戸時代の銅産業

 南海電鉄の住吉大社駅をおりると住吉大社正面の参道だ。「住友燈籠」という石灯籠が並んでいる。。江戸時代の大坂は銅の精錬や銅貿易の中心であり、その中核が住友家だった。銅は愛媛の別子銅山から運ば

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