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神絵師に並ぶ方法 【絵のランチェスター戦略】

イラストレーターのしのです。


皆さん、神絵師さん達に認められたいですよね。
沢山のフォロワーを得て、神絵師さんに並び、神絵師の仲間入りがしたいですよね。


僕もそうです…。そのために練習し、二次創作をし、オリジナル絵を描いて、神絵師さんに直接リプを飛ばしたこともありました。
しかしそれでも中々成果が出ない。そういう人、多いと思います。なぜ成果が出ないのか?


それはひとえに、技術もセンスもフォロワー数も経歴も自信も、何もかも圧倒的に足りないからです。そんな人が神絵師に見向きされないのは当たり前なのです…。

そのためにさらに練習を重ねる。というのも方法の一つですが、今回は少し違った角度から「神絵師に並ぶ方法」について考えてみました。


弱者の戦略『ランチェスター戦略』

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今回、噛み砕いて紹介するのは「ランチェスター戦略」について。


弱者の戦略ことランチェスター戦略とは、戦時中に提唱された弱者が勝つための法則(ランチェスターの法則)を経営戦略に応用したものです。

日本のビジネス業界では知らない人はいないほど有名な戦略です。


本来勝ち負けの戦略なので、神絵師に並びたい人にはあまり関係ない…と思いきや、実は考え方としてはあながち的外れでもないと思ったので、絵師さん向けに解説したいと思います…!



同じ画風なら画力で勝負が決まる

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まずこのランチェスター戦略の大前提として「同じ武器なら兵力が大きい方が勝つ」というのがあります。

武器と兵力をイラストに置き換えると「画風と画力」でしょうか。あるいは画風は、絵柄orクラスタ。画力は、知名度・フォロワー数とも言えるかもしれません。


2人の絵師さんがいるとします。片方は画力が高くプロのイラストレーターで、知名度も高い神絵師A。もう片方は画力が低く無名の絵師さんB。

この二人が同じ画風で絵を描くと、Aさんが勝ちます。多くのいいねをもらい、沢山のフォロワーをゲットできて依頼につながることもあるでしょう。

一方Bさんは、こう思われて終わりです「Aさんの真似かな?」


これがランチェスター戦略の基本的な考え方です。


実力がないと真似ても反応してもらえない

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イラスト界隈ではもう少しマイルドです。

BさんがAさんの画風を真似ると、Aさんのフォロワーにいいねしてもらえるからです。おこぼれに預かれるとでも言いましょうか。あるいは、神絵師Aさんに絵を発見されRTしてもらえることもあります。

ビジネスの世界とは違い、完全敗北で終わることはありません。むしろそういう戦略の方が、神絵師との繋がりができて良い場合もあります。


ただし、その場合それなりに実力が必要です。箸にも棒にもかからないレベルでは、相当上手くアピールしないと見つけてもらうことは困難です。

そこで今回紹介するのが、いっそ神絵師に見つけてもらうのを待つのではなく、『その前に自ら神絵師になってしまう』という逆転の発想です。


差別化により、ニッチな市場で神絵師になる

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実力が足りないのにどうやって神絵師になるのかというと、シンプルに『差別化』をすればいいのです。


そもそも有名な神絵師がいる界隈は、競争相手も多いです。そんな中でみんなと同じように神絵師の真似をしても、勝つのはおろか追いつくことすら困難です。

では逆に神絵師とは違うことをした場合はどうでしょう?

違うことをすれば、ファンの層も変わります。ニッチな市場なら競争相手もいません。もしその中で圧倒的にフォロワーを獲得することができれば、側からみればそれはもう神絵師です。


実力で劣っていてもフォロワーが同数か、あるいはそれ以上なら、神絵師に対してアプローチしやすくなります。

たとえフォロワーが少なくても「〇〇と言ったらこの人」という存在になれれば、自分の紹介がしやすく、むこうからも見つけてもらいやすくなります。


ランチェスター戦略は勝ち負けの戦略ですが、同じやり方で神絵師に並べる可能性があるのです。

というわけで『神絵師の真似はするな、差別化しろ』これが今回のポイントです。


やることを絞る。あれこれ手を出さない

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じゃあ差別化って具体的にどうするのか? これもランチェスター戦略で調べると出てきます。


まず1つ目は「やることを絞る」(局地戦)です。

イラスト描いていると、色んな有名絵師さんが目に入り、依頼も受けたい・バズりたい・漫画も描きたい・vtuberもやりたい、とあれこれ手を出しがちです。


しかし実力のない人がそれをやっても中途半端になりがちなので、分野を絞ります。まずは、自分のやっていることの中で現状一番成果が出ているものを探してください。

これは人によって色々だと思います。特定の二次創作がウケているならそれ一本にしてもいいし、あるフェチの作品が伸びてそうだと思ったらそれだけにするのも良いです。

SNSに絵を上げるよりも、skebやSKIMAといった依頼サービスの方が効果が高そうならそれをメインにするのも良いと思います。


まずは絞ってください。どこで戦うかは、ランチェスター戦略において非常に大事です。


評価を待たない。自分からアピールする

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2つ目は「自分から近づく」(接近戦)です

神絵師は、フォロワーがたくさんいるのでイラストを上げるだけで何もしなくても絵は広まっていきます。

依頼も向こうから話が来ることも多いし、youtubeやイベントだって人が集まりやすいです。


一方で弱者はそれができません。できないからできるだけ近づくのです。こちらからフォローやいいねをしたり、積極的にリプをしたり。依頼も自分から話をしにいくのです。

特に『イラストレーター』を目指す人ほどこれをやってないことが多いです。絵の依頼を受けたいなら、大手に見つけてもらうのを待つんじゃいけません。

そんなことをしててもより画力の高い神絵師に並べません。


自分からSNSで発信し、skebやSKIMAなどのサービスをコツコツ利用し、自分で自分の絵を売るのです。


コンテンツ量を増やす

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3つ目は「量を増やす」(一点集中)です

1つ目の「やることを絞る」では戦う場所を絞ります。そして3つ目で、とにかくたくさんの絵を投下し、他の絵師が真似する暇もないくらい一気に差をつけるのです。


もちろん、実際にはそんな短時間で絵を描くことは難しいです。なので、絵におけるランチェスター戦略では工夫が必要です。

描くスピードを変えずに、コンテンツの量を増やす方法としては

・過去絵の再アップ
・差分の作成
・似た絵ばかり描く(テーマ決めやキャラデザの手間を省く)
・貯めていた未公開イラストの公開
・FANBOXなど絵以外のコンテンツ

などが挙げられます。つまりある程度の下準備が必要です。

この分野はいけそうだと感じたら、まずはファンを絶やさない程度に絵を描きつつ、バズった時に備えてRTできる絵や、FANBOXなどのコンテンツを準備し、来るべき時に一気に宣伝するのが良いと思います。


ファンの望まない差別化はNG

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僕の失敗談として、オリジナリティを重視しすぎて、絵柄を個性的にしすぎたことがあります。

結果、ようやく伸び始めてきたのに、個性的すぎる絵柄のせいでいいねが減ってファンからの反応が少なくなるということが何度かありました。


いくら神絵師と同じ絵を描いてはいけないとはいえ、違う絵を描こうとするあまり、ファンのウケまで裏切ってはいけません。

差別化をするなら、ファンからの反応が良かった絵を基準にすべきです。


小さな差別化ポイントを複数作る

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差別化の方法が思いつかない人は、小さな差別化をいくつか入れてみましょう。

たとえば、女の子が暖かい食べ物を食べているイラストが得意な絵師さんと差別化するなら、絵柄はそのままでも

・冷たい食べ物にしてみる
・女の子の年齢を変える
・背景を変える
・服装の好みを変える
・女の子同士の絵にしてみる
・インスタ映えしそうな食品を意識する

など、複数差別化のポイントを混ぜれば、もはや参考元とは全然違うオリジナリティになります。


もちろん、ただ差別化をたくさん入れれば良いと言うものではなく、絵を描く以上あなたの好きな描いてて楽しいようなイラストにしないといけません。

だから、差別化をする場合は、自分の好みを中心に考えていくといいですね。


何よりこだわりが大事

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そして一番大事なのは、こだわりです。

ぶっちゃけ今の時代、AIで「なんかいい感じのイラスト」は描けてしまいます、誰でも絵師になれる。そんな中、自力で絵を描ける人と、AIで作る人の違いは「ここだけは絶対に譲れない」というこだわりと、それにかける時間です。


ただ勝てれば良い、差別化さえすれば良いという思いで絵を描いても、ただ虚しいだけです。虚しいことは続きません。どこかで限界が来ます。

自分はこれが好きなんだと、見ている人に伝わるような、そんなこだわりを持って初めて、自分にしかない神絵師との差別化を成し遂げることができる。ランチェスター戦略は、小手先の手法ではなく、弱者が考え抜いた泥臭い戦略なのです。


ランチェスター戦略はあくまで考え方の一つ

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このランチェスター戦略はあくまで「勝つための戦略」の一つです。やり方は一つではないし、そもそも創作活動は必ずしも「勝つこと」が目的じゃありません。

ただ、イラストだって結局は数字や知名度で比較される世界です。実力で劣るなら、せめてそこだけでも勝つ。そうすることで、少しでも存在感を増すことが、神絵師に近づく一歩なんじゃないかと思います。

伸び悩んでいる人は参考にしてもらえると嬉しいです。


長くなりましたが今回は以上です。

ではでは!



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