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先生、助けてください

「先生、ちょっと困ったことが起こって。。。お時間のあるときに折り返しお電話ください」

留守番電話にこんなメッセージが入っていました。

いやな予感はしましたが、電話をかけるとクライアント先の社長から困り果てた、信じられないといった口調で話し始めたのでした。

内容は、これまで創業以来のメイン行から、資金繰りのための短期資金に対して不動産担保の提供が条件だと。これまでも、同様の短期運転資金はプロパーで取り扱いの実績があり、一度たりとも返済が滞ることなどないにもかかわらずだといいます。

聞けば、当該物件は個人的な事情があって、担保提供が難しいとのこと。

冷静に考え百歩譲ったとしても、不動産担保設定を法務局へ登記する時間を考慮すれば、8月上旬の資金決済に必要なタイミングまでいまからでは間に合うはずもない。

担保・保証に依存しないは絵空事か?

金融円滑化法が2013年3月に廃止されてすでに10年以上が経つ。いまだ担保・保証に依存した融資を厳然と行う金融機関に、正直憤りさえ感じてしまう。「担保・保証に依存しない」事業性による与信への取組みは絵空事だったのか。それとも、みずから事業性評価を放棄したのか。

しかも、これから経営改善計画を策定し、具体的なアクションプランを金融機関とも一緒に検討しようとしていた矢先の出来事に、あまりの豹変ぶりにわたし自身冷静では居られない気持ちになったのでした。

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そうはいっても、まずは資金繰りをなんとかしないといけない。お役に立つかどうか分かりませんが、再び交渉へと社長にある策を授けたのでした。

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