秋
先週までの暑さが嘘のように、一気に涼しくなった。
雲ひとつない晴天。まさしく秋晴れ。
窓を開ければ、冷房をつけることなく快適に過ごせる季節。
ゆったりとした音楽を聴きながら、この季節に思いを馳せる。
「あぁ、会社辞めてえ…。」
こんな清々しい朝をどうして憂鬱な気分で通勤しなければならないのか。
おかしい。
絶対におかしい。
会社員人生のままでいるとしたら、残り30年強も毎日同じ思いをし続けなければならない。
全くうんざりである。
今になって、大学生の頃に金になることをやっておけばと思うことが多々ある。
当時は、というか今もだが、なんとなく生きていた。
なんとなく友人と毎晩のように飲み、テキトーに授業を受け、バイトをし、自家発電をしているだけだった。
あのとき少しでも金目のことに手を出しておけば、今こんな目に遭わずに済んだのかもしれない。
株やFXといった直球のことに限らず、金になりそうな勉強をしておけば良かった。
今となっては、大学時代の友人とは全く連絡を取っていない。
それぐらいの仲でしかなかったのだ。
だったら、そんな仲を紡いでおく必要もなかったような気がする。
己に邁進するのも手だった。
しかし、その頃の僕にとってはそれが、その生活が正義だったのだから仕方がない。
今だからそれがわかるのである。
まぁ、なんも言おうと過去のこと、終わってしまったことを嘆いていても、また明日嫌な思いをして会社に行かなければならない。
どうにかしてその明日から逃げる方法を見つけるのが今やるべきことだ。
僕は脳がないから、稼いだなけなしの金銭を投資に回すぐらいしか対抗策がない。
それでも、昨日よりは明日の方がまだマシだと思い込んで、思い続けて積立していく。
いつになったらこのラットレースから逃れられるのか。
道のりは長い。
宝くじでも当たってくれ。
道端に札束でも落ちていてくれ。
叶わぬ夢を抱きながら今日も眠りにつく。
そして、起きて言うのだ。
「あぁ…会社行きたくねぇ。辞めてぇ。」と。
秋はまだ始まったばかり。
秋晴れよ永遠に。
では、また。
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