人間のフリして生きている
僕はリアクションを取るのが苦手だ。
人と話していると、リアクションの取り方がよくわからなく、困ることが多い。
とりあえずニコニコしておけば、その場を切り抜けることが分かってから、面白くもなんともなくてもニコニコしている。
ニコニコしていながら「こういう時どうしたらいいかわからないの。」と思っている。
僕は綾波レイなのかもしれない。
そんな綾波ばりの生活を過ごしているから、上司からクールだと評価されることがある。
それが良い意味なのか悪い意味なのかはわからないが、こちらとしてはクールを装っているわけではなく、結果的にそうなってしまっていることをどうか知っておいてほしい。
心の中では焦っていたり、苛立ったりしていてもそれを外に表す術が分からないだけなのだ。
思い返せば、幼い頃はもっと感情的になっていた気がする。もっとはつらつとしていて、陽キャ寄りの人間だった。
それがいつしか陰キャになり、人間を装う暮らしになってしまった。
望んでそうなったわけではないから、根は陰キャだったのかもしれない。
よくよく考えると、無理やり元気を作っていたような気もする。
でも仲間内では、それなりにはしゃいだりもしていた。
顕著になったのはやはり社会人になってからだろう。
常に評価されている気がして、自分を出せなくなった。
「家と会社の自分は違う人間だ。」
社会人役を演じ、演じ続けているうちに、その境界が分からなくなった。
結果、「自分って何だろう」というアイデンティティクライシスにも陥っている気がする。
これが、「大人」になるということなのだろうか。
昨今、労働力はAIに置き換えられるという話は、うんざりするほど聞いたが、僕という人間はロボット寸前だ。
仮に明日から急に僕の代わりに精巧なロボットが出社しても周りは気づかないだろう。
それぐらい感情が希薄している。
そのうち家庭の生活にも影響を及ぼしそうだ。
こんな生活から早く足を洗いたい。
嫌われないよう努めてきた結果がこれだ。
こんな人間のフリをして生きている人もどきが社会にいることを「人間」の皆さまはどう思うのか。
でも、同情されようが何だっていいのだ。
その感情に対しても、人間のフリをして反応するだろうから。
では、また。
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