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聴覚フェスティバルに参加したよ

こんにちは。ふじえもんです。

聴覚フェスティバルに参加して得た気づきについて書きます。

注:聴覚障害関連の用語の説明はしません。


この記事の要点

  • 状況や目的に合わせてコミュニケーション手段を変える

  • いくつかの手段があってどれかを選べるような状態・環境は幸せなこと

  • 聴覚障害があって困ることやその解決手段を当事者だけでなく、ほかの当事者またはまわりの聴者と探していく行動が何より大事なのでは?


聴覚フェスティバル

武蔵野大学武蔵野キャンパスで行われた聴覚障害のある当事者たち、また、その親や兄弟を持つ人たちの集まりです。また、言語聴覚士の資格を持つ方、勉強をされている方もいらっしゃいました。

参加したのは、キャンパスを間違えたため、講演の途中からになってしまいました。

  • 中村馨章さんの音がもたらした知覚とアートの変化についての講演

  • 両耳難聴の若者を対象にしたピアサロン

の二つに参加しました。

このイベントは、以前大学の講義に来ていただいた志磨村 早紀さんからご紹介いただき、大学の後輩二人を誘って参加しました。

ピアサロン

ピアサロンって?

聴覚フェスティバルでのピアサロンとは、当事者同士が互いに相談したり共感したりする場です。聴覚障害のある学生やその親、兄弟が集まるコミュニティはそう多くなく、これまで一度も似た境遇の人と会ったことがない人もいます。自分もそうでした。

そのため、こういった場で互いの聞こえ方や子の育て方、向き合い方について本音を語れる場というのは大変貴重なものだと認識しています。

今回は、とくにこのピアサロンに参加するのが目的でした。

ピアサロンは、下記のような属性でグループに分かれました。

  • 両耳難聴(若者)

  • 両耳難聴(大人)

  • 片耳難聴

  • CODA

  • SODA

  • 難聴児を育てる保護者

CODA・SODAって?

知らない方のために補足です。
CODAとは、 Children of Deaf Adults の略で、きこえない・きこえにくい親を持つ子を指します。
SODAとは、 Sibiling of Deaf Adult/Children  の略で、きこえない・きこえにくいきょうだいをもつ「聞こえる」きょうだいを指します。

さらに補足で、「きこえない」と「きこえにくい」の意味については、

  • 前者は全く音が入らない聴覚による知覚の状態。

  • 後者は音声を聞いて言葉として理解するのが難しい聴覚による知覚の状態を指します。


グループでの様子

自分は、両耳難聴(若者)のグループに参加しました。

そこでは、まず参加者の自己紹介として、

  • 名前

  • 聞き取りの状態

  • コミュニケーションで配慮してほしいこと

  • 参加した目的

をA3の紙に書いて、それぞれの発信手段(口話,手話 ※読取り通訳付き)で伝えました。

自分は、参加した目的は同じ年代の困りごとをきくためでした。

というのもたいていのコミュニケーションや聴覚障害に関する悩み事は解決済み、或いはすでにBestに近い手段を用いているため、自分が相談したいことはありませんでした。

無いわけではないですが、ここでの参加者は中学生〜大学生までだったため企業でのコミュニケーションや情報保障について相談することは難しく、相談する相手としてあまり適切ではないと判断しました。


自己紹介のあと、さらに2グループに分かれ、各グループにファシリテーターとして言語聴覚士あるいは言語聴覚士の勉強をしている方が会話に入った状態でピアサロンが始まりました。

さらにグループに分かれてからの様子

グループでの会話については、雑談として最近の出来事を話したのちに、それぞれが困っていることについての相談をすることになりました。

雑談が終わり場が温まってきたところで相談の時間になったわけですが、ここでテーマになったのは、後輩が質問してくれた

音声情報を扱うことが多い難聴者は音でのやりとりに慣れているので、長文を読むのに抵抗がある人が多い。
みなさんは、音声と文字とでどちらを使いたいですか。

という話です。

詳細はこちらにその後輩が書いていますのでぜひ一読を。(追記)

自分の場合は、どちらにも抵抗はないのでどちらでも良くて、
強いて言うなら相手の音声の状況が良いなら聞き取って情報処理したいし、相手がタイピングに抵抗がない/速いなら文字でのやり取りの方が、自分の言いたいことを相手の聞こえ方によらず伝えることができるとこれまでの経験から気づきました。

それで色々、英語の授業での経験だったり、各参加者の普段の授業・講義の受け方などの話がありました。

結論と気付き

結論としては、状況や目的に合わせて手段を変えるというのと、いくつかの手段があってどれかを選べるような状態・環境は幸せなことなのだということでした。

さらに深掘りしてみると、

生まれつき、ある手段が使えないという状況も起きうることだけど、ほかにどんな手段があるのか、使うとどういう嬉しいことがあってどんなところが使いにくくて困るのか、そういったことを当事者だけでなく、ほかの当事者またはまわりの聴者と探していく行動が何より大事なのではと気づきがありました。

その気づきを得たのはある本を読んだことがきっかけです。
こちらの記事にて当事者研究について書きました。
興味があれば読んでみてください。

その後、講演会場でピアサロンでの結果を報告してクロージングとなりました。


また似たようなイベントがあれば参加しようと思います。

おまけ

ロジャーダイレクトの存在を知った

余談ですが、私の補聴器はリオネットでフォナックではないため、ロジャーダイレクトがなく、別途受信機の持参が必要だということに行ってから気づきました。

Tモード入れてるし、今たまたま借りていたので持参はできたけど、会場にあるなら持ってこなくてもいいやーと思ったらこれ。まあ、補聴器だけで十分補聴できていたのでとくに問題はなかった。(使えるなら使うに越したことはない)

京セラのCotopatの展示

あとは、京セラのCotopatの展示が興味深かったです。
透明ディスプレイに音声認識結果を投影するという製品はいくつか体験しているのですが、他との大きな差分は、予め指定した単語は黄色に変わり強調できたり、単語に合わせた画像や映像を字幕の横に表示することですね。

文字だけだと実際の物のイメージが難しいことがあるため、実際の画像を表示してくれるのはきこえるきこえない関係なく便利な機能だと思いました。

例えば、薬のパッケージとか観光地など。

こうした機能は音声コマンドと呼ばれるものに類するのだと認識していますが、文章中に含まれる単語の中で、大事な単語の強調や説明で使いたい資料なんかを呼び出すようにしとけば、音声認識がただの文字起こし・議事録作成手段だけでなく、より効果的に伝わる説明をするための補助ツールとしても大活躍できそうだなあと思いました。

最近知り合った方に出会った

それから、先日オンラインで知り合った方数名に会場でエンカウントできて良かったなー
オンライントークのときと同じ服装だったからかすぐ気づかれたようだった。対面できて嬉しかったです。
時間つくってもうちょっと話したかった。

麺屋 義でラーメン

帰りは、西日暮里駅近くにある麺屋 義にて塩ラーメン食べました。さっぱりとしたスープで素直に美味しいと感じる味でした。チャーシュー3種類入っててそれぞれ美味しかった。後輩のセレクトでした。素晴らしい👏👏👏

https://www.menyayoshi.com/

ほか

あと後輩2名が急な指名にも関わらず、講演会場で堂々とピアサロンでの結果を報告していて素晴らしい👏👏👏

移動中、休憩中に後輩と話していたんですが、その中でこんなものあったらここが便利じゃない??となったアイデアがいくつか浮かびました。

ネタはいくらあっても困らないので、後日PBLをつくってから開発に取り掛かります。

おしまい。ふじえもん。

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