すぐれた作品は独り占めしたい? #110
通っている書道教室では、月に一度教則本が届き、
その中に載っている課題をお手本に練習して提出しています。
今の課題は中国の東晋時代に活躍していた
政治家で書家でもある王羲之さんが書いた
「蘭亭序」という作品です。
(歴史に疎いので、正直、東晋時代と言われてもピンと来ていませんが…)
書道の中ではとても有名な作品で、歴史上の最高傑作と言われるくらいなんですが
実はこれまで、作品の由来などはあまり気にしたことがなかった雑な私なのですが
今回いただいた教則本の解説をちゃんと読んでみたら、
結構興味深いエピソードが載っていました。
「蘭亭序」というのは宴会を開く時に作られた詩集の序文のことなのですが
草稿(下書き)で書いたものを、後で王羲之さんが清書のために書き直したものの、草稿の出来を超えることができず、それがそのまま王家に寄贈されたそうです。
下書きが最高傑作として評価されるって不思議というか、それでいいの?って感じですが、
意外とこういうことって普段の生活でも多いのかもしれません。
誰かに見せたり評価されることを意識しないで、力を抜いて何かを作ったら
すごくできの良いものができてしまったみたいな。
この王羲之さんの作品をすごく愛していて
今でいうマニアやコレクターだったのが
唐の太宗という王様です。
「蘭亭序」を手に入れるために家臣に命令して
王羲之の子孫の弟子をだましてまで手に入れたらしいです。
それでいいのか、王様…
そして、自分が亡くなる時には
自分のお墓に原本を副葬させたらしいです。
ほんとにいいのか、王様…
でも書に限らず、有名な芸術作品は購入者が
公開したがらないという話は聞くので、
すぐれた作品には人を独占欲でいっぱいにさせる
魔力があるのかもしれません。
何年経っても、書を書くときに
無駄な力が入ってしまう私ですが
いつか誰かに「独り占めしたい」と思ってもらえるような
作品ができることを目指して、続けていきたいなと思いました。
できれば、お墓には埋めてほしくないですが。
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