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“働きやすい職場づくり”が富士宮の活力に、安心・安全な商品に!地域に根差す会社の役割

1946年に創業した不二工芸製作所は、2度の大きな事業転換を経験してきました。世の中の変化は、さらに激しくなっています。新型コロナウイルスの流行など、実際に“新たな変化”が求められています。今後、地域にある会社として求められる役割も変わっていくはずです。働きやすい職場環境が地域の活力となり、自社の商品力にもつながるのではないか──。そんなことを考えています。自己紹介を兼ねて、不二工芸製作所での仕事をまとめました。

“未知への挑戦”の連続

常務の前島靖勲です。私が不二工芸製作所に入社したのは2005年、そばの新芽の青汁を乳酸発酵させた「発芽そば発酵エキス」ができて数年たったころでした。それまで私は、東京にある会社で営業マンとして働いていました。異業種からの転職を決意させたのは、不二工芸製作所の社長である父でした。開発して間もない発芽そば発酵エキスの未来を託すため、私に声をかけてくれたのです。振り返ると、当時の社長には“食による健康創造”という現在の会社の姿が見えていたのかもしれません。

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富士宮青年会議所の例会にて(富士宮青年会議所HPより)

高校、大学時代の専攻が工学部だった私にとって、健康食品の研究・開発は未知の領域です。大学院でいろはを学びながら、発芽そば発酵エキスの機能性解明を進めていきました。2005年から2年間は信州大学大学院農学研究科の修士課程、2008年から3年間は静岡大学大学院自然科学系教育部の博士課程と、5年にわたって発芽そば発酵エキスの研究に没頭しました。

研究の集大成である博士論文では、発芽そば発酵エキスの作用を取りまとめることができました。老化につながる活性酸素を分解する作用、血圧を高めるアンジオテンシンという酵素の働きを妨げる作用、アレルギー症状を引き起こすヒアルロニダーゼという酵素の働きを妨げる作用などが明らかになっています。2005年の社長の“経営者の勘”が裏づけられた形です。研究生活を通して、私としても発芽そば発酵エキスの可能性に自信を深められたと思います。

リンク:スプラウト×発酵で唯一無二の食品を!不二バイオファームの“これまで”と“これから”

博士課程を修めてからは、他社で1年間かけて世界レベルの健康食品の研究・製造・販売の先進的なノウハウを学びました。2012年に復帰した不二工芸製作所では、研究・開発に加えて、営業活動や不二バイオファームの管理など多岐にわたる業務を担っています。2020年以降は、それまで未経験だった工場の現場管理も任されるようになりました。

お客様のニーズと地域の期待

元をたどれば、不二工芸製作所は下駄の製造業として1946年に設立された会社です。1978年に先代から経営を引き継いだ社長が、和服を着る人が減ってしまった当時の状況を見て、電子機器の製造業へと事業転換。その後、平成に入って多くの製造業が生産活動の拠点を海外に移していく中、国内で健康志向が拡大する兆しを捉え、1996年に“食による健康創造”という現在の事業がスタートした経緯があります。

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ベトナムからのお客様と不二バイオファームにて(左が前島です)

ただ、現在の事業に舵を切ったときよりも世の中の変化はいっそう激しくなっています。私たちの世代(30〜40代)は、会社の理念を大切にしながら変化にきめ細かく対応しなくてはならないようです。

最近では、新型コロナウイルスの流行で免疫強化などを打ち出した健康食品の注目度が急激に高まりました。インターネット上であふれる情報に戸惑っている人は少なくないのではないでしょうか。こうした現状に、私は危機感を抱いています。研究データを蓄積していきながら、今後も必要としているお客様に適切に商品をお届けしていきたいという想いを新たにしました。

富士宮市の住宅街に工場がある弊社は、「雇用の場」としての役割を地域住民から期待されていることも忘れてはなりません。工場の管理を任されている私は、「従業員が働きやすい職場づくりが地域貢献の第一歩」と考えています。工場のご近所には弊社の従業員も多いため、働きやすさの改善は地域の活力に直結します。

従業員への配慮は職場の働きやすさを構成する一つの要素です。新型コロナウイルスの流行が始まったときは、会社に体調を気兼ねなく相談できる体制を整え、必要に応じてマスクや除菌剤を配布してきました。従業員に対するこうした配慮はもちろんですが、地域全体での支え合いの精神もますます大切になっていくでしょう。先日ご紹介した「みやてる坊主」の記事は一例です。

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富士宮青年会議所が発案した新型コロナウイルス流行終息祈願のシンボル「みやてる坊主」

職場の働きやすさは、安心・安全な商品をお客様にお届けすることにもつながっていきます。変化の激しい時代で安定した生産体制を維持していくには大変なことも多いのですが、お客様と地域の幸せにつながると信じて、地道な努力を積み重ねているところです。

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