ビートルズは初期・中期・後期とで進化を続けたバンドだ。 俺はビートルズオタクというわけではないが、ビートルズはかなり好きなバンドなので、「ここが好き!」というのを書く。きっと数年後全然今と違う聴き方になっていると思うと思うので、その時はその時で語ろうと思う。 まず、リバプールという小さい街でメンバーが色々あって集まった。最初ドラム選びに難航したようだが、なんやかんやあってリンゴスターという陽気ドラマーが加入することになった。 圧倒的カリスマ性を持つジョンレノン、音楽知識と
あまり知られていないが、京都には至る所にカレー屋がある。 アメリカンな甘み強めで野菜ベースにしたカレーもあれば、インド系のスパイスカレー、他にも魚介や野菜をふんだんに使った濃厚な旨みがあるスープカレー。もちろんナンにつけて食べるタイプのカレー屋さんも至る所にある。 京都に住んでいれば2,3軒は行きつけのカレー屋ができることだろう。 そんな京都のカレー屋を色々と巡ってみようと考え、ある時期、2年ほど、1週間に4日はカレーを食べる生活を続けていた。 夜はスナックを経営してい
行きつけの木屋町にあるバーに行くと、いつもよりも賑やかだった。 全体が、というより、1人の男が大変賑やかだった。 バーテンダーさんに「俺、その人のサイン持ってるよ!きっと今ではなかなか手に入らないと思う。」「俺、その人のサインも持ってるよ。握手会でもらったんだ」と、やたらとサインをたくさん持っている話をする男だった。 こちらからどんな話題を話そうとも「俺、その人のサインも持ってるよ」と返ってくる。ご機嫌な様子で、いかにしてサインをもらったか、いかにそのサインが貴重かを熱弁し、
バンドマンとして活動していると、大学生時代フォークソング部に所属していたというバンドマンに出会う機会がある。 そして彼らは二言目に「まぁフォークソング部といってもロックしかしないけどね。」と言う。 どうやら、日本の大学には大抵フォークソング部はあるもののほとんどロックをしているようだ。 確かにフォークと言っても、ボブディランもエレキギターを持ちライクアローリングストーンなどのような名曲を産み出しているし、日本にもサニーデイ・サービスのようなフォークロックのカッコイイバンドが
黄金の国ジパングにはダジャレと言われるカルチャーがある。 おおよそある単語の語感を模して、繰り返したり、それっぽく言い換えたりするウィットに富んだジョークのことを指す。 「布団が吹っ飛んだ」などは有名なダジャレで、ハリウッドで映画化もされたジャパンの有名なコミックの主人公のセリフになっている。 俺はダジャレが好きだが、生憎残念なことに語彙力を持ち合わせていないために上手く言えない。 ただ、ダジャレにしたい言葉のストックはたくさんある。 例えば、「ジョジョの奇妙な冒険part
奇人が好きでよく奇人の集まりそうな場所に出入りしている俺が行きつけのバーがある。 そこで奇人と出会い、奇人の話を聞き、日々キャッキャして楽しい夜を過ごしていた。 「このバーは面白い人がたくさんいて、面白いです!」 俺は素直に伝えた。それを聞いたバーテンダーさんから、 「君は気づいてないかもやけど、君はもうこっち側やで」 と言われた。 バーテンダーさん曰く、奇人を求めて彷徨う時点で、最早そいつは奇人に分類される。 この奇人蒐集という趣味は強制的にミイラ取りをミイラにする効力を持
バイト先の先輩が卒業することになり、ささやかながら当日シフトに入っていた俺ともう1人とで送別会を開くことになった。 一次会である程度話したあと、そのメンバーでカラオケに行くことになった。 卒業する先輩は乃木坂46の大ファンだった先輩は、ある程度の点数を下回ると演奏が打ち切られるタイプの採点を入れ、乃木坂46の曲を入れた。 バイト中など、よく乃木坂46への愛を語っていたので「さぞ自信があるのだろう」と思って期待していたが、先輩はカラオケに記載してある歌詞を一切歌うことなく、「
大学時代から奇人が好きだったため、遊ぶ先輩、後輩も自ずと奇人ばかりだったのだが、その中で異彩を放っていたのが終末亭厄丁だった。 演劇サークルと、俺が所属する軽音系のサークルを兼部していた彼はそのあまりの情緒不安定のせいで、音楽団体の中で孤立していた。 有名な事件でいうと、飲み会中にトイレで急に怒りの沸点に達してドアを殴る蹴ると暴れ回った後、「俺は死ねばいいんだ」と言ってゴミ収集車の中に飛び込もうとしたりなどしていた。 彼は「ハブられていた」というより、「恐れられていた」と表
大阪の西成を散歩していたら前からセーラー服を着たおじいさんが歩いてきた。 最初は目を疑ったが、頭に髪の毛はなく、長い白髪の顎髭を携えたれっきとしたおじいさんだった。 よく漫画やアニメに出てくる仙人のような姿を思い浮かべて欲しい。 そのおじいさんが、いかにもおじいさんらしい足取りでトボトボと俺の横を通り過ぎて行った。 振り返って確認したが、やはりセーラー服を着ていた。 不思議なこともあるもんだとその話をバーでしたところ、「俺も」「私も」と目撃情報がたくさん出てきた。 どうやら
これは俺が高校生の頃の話だ。 俺の実家は市の中でもかなり僻地の田舎にあったため、高校に通うには1時間以上の距離を自転車で漕ぐ必要があった。 毎日通学していたら距離自体は慣れてくるのだが、ある日から奇妙なことに気がついた。 下校中、なぜか並走してくるおじさんがいることだ。 最初は「たまたま目的地が同じ方向なのかな」と思っていたが、毎日いるので、「なんだこのおじさんは」と気になってきた。 そのおじさんは基本俺のすぐ後ろに着いてきて、俺が止まると一緒に止まる。そして、ただ止ま
心斎橋のとあるバーにふらっと入ると、カウンターで丸坊主の女性がアロエを切っていた。 まず、丸坊主の女性自体が珍しいのにそれに加えてカウンターでアロエを切っているのも珍しい。珍しいの二乗なのでかなり珍しいことだ。 「アロエ切ってんねん!」 と、女性が教えてくれた。見ればわかるのだが、状況が異常すぎて訳がわからなかったので説明していただけるのはありがたかった。 彼女の隣に座り、話を聞こうとしようとしたのだが、バーテンダーさんに怒鳴りつけたり、そのすぐ後にセンチメンタルになっ
宗右衛門にあるバーで働いている女性のバーテンダーさんと音楽の趣味が合い、よく音楽の話をしていた。 世間話をしていて、奇人エピソードはないかと伺ったところ、なぜかリストカットした際に出た血液を冷蔵庫で保管しているそうだ。 理由を聞くと「なんとなく」だそうだ。 別のある日、フラフラで呂律が回らないまま出勤してきたことがあった。 「眠そうですね」と声かけると、「今日、駅で倒れてしまって、さっきまで病院にいたんです。」とのことだった。お薬を飲みすぎてしまったらしく、意識が途絶えてし
「こんばんは!お仕事大変ですね!」 夜22:00の阪急電車で声をかけられた。 絶対に知らない人だったが、両手に大荷物を抱えたまま、先ほどからポスターに向かってずっと喋りかけていたので見ていたら目が合ってしまった。 「まぁぼちぼちですよ。」 「そうなんですね!でも夜遅くまで大変ですね!」 男は俺の横に座った。人生で1,2を数えるほど話すことがなかったので、当たり障りのない受け答えをしていた。 家の最寄り駅で降りようとすると彼も同じ駅で降りるようだった。 「奇遇ですね
志摩スペイン村をご存知だろうか。 三重の僻地にあるテーマパークで、スペインをイメージした綺麗な景色と、アクセスの悪さ、そして入場者数に釣り合わないパフォーマンスのクオリティで知られている。 近年、vtuberの周央サンゴが紹介し、その後アンバサダーを勤めたことで人気が爆発し、今ではすっかり人気テーマパークの仲間入りとなった。 俺が志摩スペイン村を訪れたのは人気が爆発する直前で、また人がほとんどいない時期だった。 驚くことに、俺が訪れた日、世の中は春休みだったのにも関わらず
大阪に宗右衛門という飲屋街があるのだが、そこで飲んで帰っている最中、歩いている女性にしつこく連絡先を聞いている男を見かけた。 女性は遠くから見てもわかるくらいに迷惑そうにしていたので、男を引き留め、女性を逃した。 去り行く女性の後ろ姿を見送って、ふと男の方を見ると、満面の笑みでこちらを見つめていた。 「LINEを交換してくれませんか」 俺は驚いた。先ほどまで、この男が話しかけていた女性は夜の街に似合う、目鼻立ちがはっきりしたギャルっぽい女性だったので、連絡先を交換したい気
俺は奇人が好きだ。 自分には理解できない価値観で生きる人間の話を聴くことで、自分が選ばなかった世界線の人生を覗き見できる感覚があるからだ。 ここ数年でその奇人への好奇心はさらに強くなり、奇人が出入りしていそうな場所に入り浸り、奇人エピソードを聞く活動をルーティンとして続けている。 その奇人のエピソードを語れる範囲でここに書き残そうと思う。 ただ、犯罪が絡んだ話はNGとする。 それでは始める。 記念すべき1人目は木屋町で出会ったメロスだ。 メロスは金髪で溌剌と話す男性だった