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マルチスポーツが作る、新たな価値観

「Jリーグから内定が出そうなんだけど、プロ野球のドラフトでも上位指名されるかも、、、」

「‶野球とサッカーの二刀流″ってか?そんな事できないって、世界中探してもそんな選手いるわけないよ(笑)」

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2018年、カイラー・マレー(Kyler Murray)選手は、MLBとNFLの両リーグからドラフト1位指名を受けました。「アメフトと野球の二刀流」です。

大学時代に、アメリカンフットボール部に所属し、クォーターバック(QB)を務め、その年最も活躍した選手に贈られるハイズマン賞(MVP)を受賞しました。また、野球部にも所属し、外野手として打率.296、本塁打10本を記録したのです。卒業後には、MLBとNFLの両リーグからドラフト1位指名を受け、最終的にNFLを選択し、アリゾナ・カージナルスに所属しています。

アメフトと野球の二刀流で、しかも、両方プロレベルってどんなにスゴイんだろう。日本だと、人気的にJリーグとプロ野球くらいか?と短い記事を読んだだけで鳥肌が立つほどの衝撃を受けました。

二刀流というと日本では、大谷翔平選手の「投手と打者の二刀流」が注目を集めました。今までの常識を覆す活躍は、野球界には変化を、野球少年には夢を、野球ファンには期待を与えてくれました。

日本には、「二兎追う者は一兎も得ず」というコトバが存在します。
多くの高校では、「野球部は、甲子園」、「サッカー部は、国立」と、それだけを目指し、全てを捧げることが素晴らしいという価値観が主流のように感じます。

しかし、その価値観が子どもの可能性を狭めているのかもしれないのです。

世界には、競技を越境しても一流になる選手が存在しています。「マルチスポーツアスリート」と表現され、multi-sport athletesで検索をかけると多くの一流選手が、二刀流として活躍していたことが分かります。

日本には日本のやり方があることも承知ですが、「マルチスポーツ的価値」を明らかにすることができれば、日本でも、真剣に二刀流を目指せる環境が生まれるのではないかと考えています。

なぜ、1つしか選択できないのか?選択肢すらないことに疑問があるのです。

今夏は、コロナウイルスの影響で戦後初めて甲子園が中止となりました。現役生のために代替案を模索しながらも、もう一度、部活動の位置づけ、価値観を再確認するべきです。

マルチスポーツが作る、新たな価値観が浸透していくことで、少年少女の可能性が広がり、よりいい方向に変化していって欲しいと願っています。