#37. 悔しみのスライムを言語化してみる
小学生のころ、シャム猫を飼っていた。拾ってきたとき「ミュウ、ミュウ」と鳴いていたから「ミュウ」と名づけた。毛色はシルバーグレイで、足先と尻尾と耳だけが黒い。宝石のサファイアみたいなブルーの目で、洋画に登場しそうなエレガントな猫だった。
見た目とは違い、なかなかヤンチャな猫でもあった。しょっちゅう蛇や虫をを咥えたまま家に入ってきて、自慢げに私たち家族に披露していたものだ。
ある日、私が庭で遊んでいたときのこと。ミュウが植栽の陰から現れて、家の周りを囲む塀の上を歩いていた。平