不便な生活

東京からパリに移り住んだ時、今まで自分がすごくものに溢れ、便利な世の中にいたことを強く実感した。
パリは都会だけども、不便があちこちに散らばっていた。
それにイライラすることもあるけれど、フランス人は上手に付き合っているなと思う。
古いものを大切にして、今自分が持てるものでなんとか工夫する。
私にとってそういう生き方は、とても心地がよかった。

今の家は、電子レンジも洗濯機も掃除機も炊飯器もない。
おまけに携帯の電波も届かない。
ネット環境はさすがに整えるつもりでいるけれど、それ以外は今のところなくてもやっていけそう。

今まで、寝る前はついつい携帯を手に取っていたけど、この家ではあまり役に立たず、買ったのに読むのが後回しになっていた本を黙々と読み進めている。