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蝉喘息

朝の4時ごろ、ひどい咳き込みで目が覚める。
息を吸うともっとひどくなり、喘鳴が鳴る。

こうやって目が覚めると「ああ、夏が来たなあ」と、
しみじみと感じる。理屈はわからないが夏が訪れると喘息が出てくるのだ。そうして8月頃に少し落ち着いて、また秋の台風で再発するまでがセット。

元々ストレスがかかると喘息の発作を起こしていたのだが、誤嚥性肺炎をやってから余計ひどくなった気がする。さらに追い討ちでコロナがあったものだから、私の気管支と肺と気管支はきっと老人並みに違いない。

今日はまだガラガラと音が鳴るだけにとどまっているが、昨晩はガラガラ音とヒューヒューという音がMIXを奏でており、喉がパーティー会場と化していた。

——昨日、窓の外で蝉が鳴いた。
今年初めての蝉だと思う。ここらでは他の誰も鳴いていないのに、フライングしてしまったあわてんぼう蝉だ。実際、やべっ、まだ早かった!と思ったのか、今朝は鳴りを潜めている。
きっとこの蝉も喘息で、他の仲間より早くに起きてしまったに違いない。

——咳喘息ならぬ蝉喘息。

なんて、洒落を思いついてニヤニヤしていた。
静かに笑っていたら息を吸った瞬間むせた。

蝉も私もひとり。

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