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【読後日記】ルポ誰が国語力を殺すのか (石井光太)

この本の紹介でよく引用される「ごんぎつね」の下り、本当に衝撃的である。

本を手に取る前に聞いた時は嘘でしょう?と思って読み始めた。しかし、本文を読むと、なるほど今のご時世を鑑みれば子どもたちがこう言うのも仕方ない、と納得した。

ただし、常識を知らない、経験していない、共感力が低い子どもが増えているのは事実。
それが国語力の低下と関係あるとされれば何か解決策はないのか、と気になるところ。

前半は不登校、ネット依存、非行少年…と現代社会の問題と国語力の話が中心で、いかに言葉をもてない子どもたちが不幸な状況にあるのか、心が痛くなるほど具体的に書かれている。
後半はその解決策の指標として私立の学校の取り組みが紹介されている。
前半と後半の子どもたちのいわゆる『レベル』が違いすぎて、期待していたほどの、ザ・解決策というものにたどり着けなかったが、五感を刺激して言葉を獲得していくこと、論破ではなく対話で思考を鍛えることが大切なのだと理解した。
日本人同士なのに日本語が通じない、そんな社会が今広がりつつある。この本がもっといろんな人に読んでもらえるといいと思う。

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