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宝生舞③眼と体のギャップ

(写真集「宝生舞+篠山紀信」紹介記事の第三弾です)


圧倒的な眼力(めぢから)。彼女の最大の魅力は、そこだと言われていたけど、個人的に、ちょっと圧倒的すぎた気もする。

それが、痩せたことにより、少し変化した。眼の強さと、体の頼りなさ、というギャップ。少し前の記事に書いた、ソーニャ(罪と罰)の魅力にも通じるものだ。たぶん、稲垣吾郎もそういうところに惹かれたのだろうけど、ちょっと刺激的すぎたのか、破局してしまい、同じ自分探しタイプでも、癒し系としての一面を持つ、菅野美穂へと向かうことに。(これも破局したが、けっこう長続きした)

自分のエッセイに「私はゴミ箱になりたい」というタイトルをつけた彼女は、癒し系、などという耳障りのいい存在より、もっと汚れてもいいから、自他にある何かを浄化できるような存在を、じつは志向していたのかもしれない。


(初出「痩せ姫の光と影」2010年6月)

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