限界がわからなくては挫折すらできない~かすみ嬢の居場所(4)
センター試験が終わった。
94%という結果に、後期、どこを受けるか悩んでしまう。中途半端すぎて、なんとも。私は何やっても、こんなふうに中途半端なんだよね……。あと数点されど数点、手が届きそうで届かない、きつい。
それでも、どこかは受けなくちゃ。それが私の進路なら。ただ、今の私にはふたつの進路がある。
ほぼ確実に無償で夢を叶えられるけど、後戻りはできなくて将来の選択肢が大きく狭まる進路と、それよりは不確実性が高いけど、そのぶん将来性がとてもあって、より私の望む、望まれる未来に直結する進路。今になって迷いが生じてる……。痩せ姫になることと並列して、なんとかなる進路はないものか。いや、違うか。全てを犠牲にしなければ痩せ姫にはなれぬのか。
凡人ゆえに、欲も迷いも尽きません。
実際、才能を持つ人と持たない人のあいだには決定的な違いがあると思う。痩せられる限度だって、本当にありはするんだよね。どんなに痩せこけたいって思ったとしても、周りの環境と本人の体質に依るものだから、ある程度以上痩せられるのは、もうそれでひとつの才能だから。羨ましくて仕方がない。
でもね、才能なくともね、差を埋めるまで行かなくても近づけるはず。少なくともどこが自分の限界なのかわからなくては挫折すらできない。そこまでは努力の領域なんだから、私は私の行き着くところを見てみたい。
そういえば、某大学の英語の問題。大問1で、肥った人を火葬したらその大量の脂身により火葬場で火災が発生した、という米国のニュースを取り上げていた。大問4では、摂食障害の紹介記事を題材にしていて、なかなかインパクトのあるラインアップ。
だって、死んで火葬されるときに自分の脂身も燃料の一部となって自分を焼くって考えると、ぞっとする。私の、このくっついている脂身を削ぎ落とさなくてはって考えが加速する。それを思ったあとに、摂食障害による死の危険性を喚起する記事を読むと、ますますね……。
だから、また痩せていた当時に戻りたい。いや、その当時よりもっともっと痩せたいって。そんな執着心とも言える強い想いだけでも、せめて持ち続けていたいの。それがなくなったら、もう、どうやって生きていったらいいかわからない。
そんな想いで、毎日、決まった許容できる食べ物を食べて、決まったマッサージをして、決まったトレーニングして、そうやって決まったことをひとつひとつこなしている。
もうイヤでたまらないときもあるけど、どこか赦された気分になってほっとするから。
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