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昨日までの 風景(2)

<ピアノの音>

昨日までの 風景(1)で書いたピアノの調律師さんは 6年前に調律していただいた方だった。

思い返すに、以前ピアノの調律をしてもらった後の「音」が ものすごく やさしく柔らかな音だったので、直ぐに電話で感動を伝えたことがあった。 それから6年の月日が経ち、 この度 調律してもらった「音」は 前回の「音」と違う!ということに気づいた。今回の調律後の「音」は たくましくはっきりとした音で自己主張しているように感じた。

以前の調律師さんは 普通の背広に普通のネクタイだったのに、6年経ってお会いしたら「超ジャズっぽい」お人に変わっていた。(それは「昨日までの風景(1)」に書いているので ご参照あれ!)6年の間に「『継続は力なり』ですわ~」と おっしゃってジャズを続けておられていた結果なのだ!と思ったけれど、調律した音までも変わるのか~?と、驚いた。

娘の看病で 数年の間ピアノを忘れていたけれど、見送った後また弾き始めようとしたとき、ピアノは購入55年のこともあり、修理が必要だった。  そこで、修理をお願いすると、全て一人の調律師さんがされるとのこと。 2週間の間、鍵盤は箱型のピアノの上に残して置いたまま、なかの竪琴のような金属の棒を磨くのだそうだ。そして、やっと全てが納まったピアノは 別物のような音色を立てて、私を驚かせた。

久しぶりに弾くピアノは 指は固く、目は定まらず、鍵盤をしっかり捉えることができなかった。 それでも 私は弾くことをあきらめなかった。  調律師さんのように「継続は力なり」ですわ~! の お言葉通り!

先ずは ゆっくりした、やさしい癒やしの曲から はじめよう…!    ヤマハの楽譜屋さんに行って 見つけたのが、【大きくて見やすい楽譜「こころにしみるピアノ」】それを買って、その中の 山田耕筰の「この道」を選んだ。 懐かしい曲だし、旋律もお馴染みだし 何にしても「ゆっくり」がいい! そう思いながら弾き始めるが なにせ、音が派手なので 妙に この曲に合わないような… 違和感を感じるのは、私だけなのかしら?

6年の間に お人の中身が変わると、調律した音も変わるのだ!と、新しい発見をしたような気分になった。 

このことは 最近の 新発見と同時に とても感慨深いことであった。

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