あの光るものは？

　梅雨明け宣言が　あったことが、嘘みたいな天気が続いている。　　　　それも30度越えの毎日。「洗濯日和です。梅雨の晴れ間を　上手に使ってください」と　天気予報士は告げる。　私は「ここぞ！」とばかりに　朝早くから窓を全開にして空気を入れかえた。シングルになってから、二階の部屋は　窓は開けるものの、手つかずで掃除もままならず、猫の安息場になっていた。

　ある夜、二階の窓を閉めカーテンを引いて　気が付いた。なんだか小さな光るものが　カーペット一面に散らばっているのだ。「ン？」私はしゃがんで　その小さな光るものを　指先でつまんでみた。それは小さな丸いまわりにギザギザのある薄っぺらいものだった。　私の人差し指の上で　この小さきものは　光の加減で見えたり見えなくなったりする。「何なんだろう？」一つ、アッ！又ここにも一つ、振り向けば　カーペット一面に星がちりばめられたように光っては消えた。私はおもむろに　立ち上がり向きを変える。その度にチカリ、チカリ！と光るのだ。　私はカーペットの上を　這いつくばるようにして　一つ一つ指先で拾いながら　屑篭に入れていった。屑篭に放たれる時　微かに音がしたような気がした。それは金属に似た小さな音。益々、この奇妙な美しきものが　気になり始めた。その日は思い切って掃除機をかけて　カーペットの星は全て消えた。

　この奇妙な美しきものが　散らばる日は　決まって、窓を全開にした日、それも風の強い日だと気が付いた。　我が家で一番風通りのいい部屋に！　キラキラと星屑のようでも　これだけは奇妙に思えて仕方がない。この美しさには　懐疑的にならざるを得なかった。

それからというもの、私はあちらこちらに　このチカリ！と光るものを見つけることになった。

家の中では　階段に、そして猫の毛に！時たま　キッチンや玄関に！

久しぶりに出かけた街の階段にも！　気を付けて見れば、なんと多いこと！

調べてみたいが　調べる方法がわからない。この光る星屑を集めて　どこへ持ち込めばわかるのだろう？

　ニュースでプラスチックが小さくなり、海で魚のお腹から出てきたことを　思い出した。この奇妙な星屑も　プラスチックでは　ないのか？

いろいろなプラスチック製品の成れの果て！風に舞いながら網戸をも通り抜ける薄くて微量な星屑になって、　動物や人の口に入り込む。それこそ恐ろしいことに　なるのでは？　

「note」のみなさま！ちょっと、気を付けてみてくださらないでしょうか？

風を通した後の部屋の床に　あの光るものがあるかどうか？　

そして、

街の中の何気なく歩いているところでも　あの光る小さな星屑があるかどうかを！