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昨日までの風景(9)

 今朝、プラスチックごみを出しに行くとポストの口から朝刊と何枚かのチラシに挟まれて一枚のハガキが落ちた。
拾いあげて見てみると、兄からのハガキだ。 
え、え~! 返事くれたの?

とりも取りあえず読んでみる。

「早や12月に厳寒、気を使う毎日です。先日は、豪華なお見舞い感激です。そちらも大変なのに、お尋ねも出来ず、すまない気持ちで一杯です。
本当にありがとう。
 また、世はきな臭いですね、明治以来世界は戦争続き、物が豊富なだけ 有難いですが… さて、体調は如何、70~80歳前半は無理をしなければ調子良しですが、決して無理しないでください。その後を左右します(私の例…)。暮らしのこと教えてもらいましたが、機会があれば続きをお願いします。%子(兄の娘、私の姪っ子)の件は、仕事を分類し分割毎に他人に頼む方法よりないと思います。
最後に、くれぐれも毎日体調に気をつけ元気で頑張ってください。
交通に気を付け、コロナ禍を警戒してください。  敬具  」

私は ハガキ一面に、兄の愛を見た。

 今日は生協の配達日だった。配達の品に「ちらしずし」を注文しておいたことを想いだして、時計を見ると丁度昼時だったので、まず昼ご飯にしてから…、返事を書いた。

「今日は久々に小春日和の過ごしやすい日です。今日、思わぬお兄ちゃん からのうれしいお返事、葉書一枚の全文に、お兄ちゃんの愛情があふれ、 兄妹のあたたかさに酔いしれております。なまいきな手紙にもかかわらず、このようにすぐ返事を書いてくださいましたこと、幾重にもうれしく思います。
 今日このあたたかさですが、又急に寒さが戻ります。どうぞお兄ちゃん はじめ皆様くれぐれもご自愛ください。又機会を見つけて会いたいと思っております。ちょっと早いですが皆様よい新年をお迎えくださいね。
                             かしこ 」

   2021年12月10日


 ポスト投函の道々 空は青く太陽は暖かかった。
そして、私の心も体も ポッカポッカにあたたかかった。

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