昨年までの 風景(1)
☆1 連休が 終わって
連休最終日、孫を見送ってホッとした。と、同時に 「さみしさ」を胸に発車寸前の電車に飛び乗った。飛び乗った目前に 外国の青年が座っていた。目が合った拍子に 長い脚をスックと立たせ「どうぞ」ならぬ手招きをしてくれた。私は思わず「あら!いいんですか?」と笑顔で言っていた。ガラにもなく、標準語で聞く私に「ウン」とうなづいてくれる彼に「ありがとう」と言って座らせてもらった。 なんてことでしょう?外国のハンサムボーイに席を譲られるなんて、ウフフ。 三つ目で下車した青年に英語で「サンキュウ」と言えず、目で挨拶をした。そして、その時乗り込んで来た老婦人に思わず「お座りになります?次の駅で降りるので、、」と言っていた。老婦人は いきなり大きな声で「おじいさ~ん!」と手招きして、ご主人を座らせる。「私も席を ゆずってもらったんですよ。ありがたいですねえ」と話したら、降車する私の背中をたたいて「ありがとう」とにっこり言ってくださった。夕暮れの雑踏の中、すっかり、元気になっている自分に気がついた。さ~、明日からも、がんばるぞ!
☆2 ★★子様
郵便局へ行く道すがら、黄色や橙色に色づいた街路樹の中、ひときわ花みずきの紅葉が色濃く 久しぶりの秋空に輝いて見えた昨年(実際は一昨年)の秋。郵便局から帰って来られるあなたとバッタリお会いし、懐かしくて遊歩道のベンチで長い間おしゃべりをしましたね。それから後 猛暑の盛り、あなたが交通事故に!との突然の知らせでどうしていいか分からず、長い間 あなたの様子をご存知の方に おたずねするばかりでした。でも、先日奇跡のようなご快復を耳にし、心の中で拍手を送りました。そして今日、あの日のような見事な街路樹の紅葉の中を歩きながら、私はやっと、あなたに手紙を書こうと思いました。 無理をせず焦らずゆっくりと リハビリをなさってくださいね。又、出会える日が来るのを 首を長くしてお待ちしております。
☆3 00様
凌ぎやすき秋は短く、その惜別のように今年の紅葉は 一段と美しく思われます。 昨日、思わぬお母さまのご逝去のお葉書を受け取り、早春の哀しみを 遠い思い出で手繰り寄せ、あなたのことを思いました。長らくお母さまを励ましてこられましたね。お母さまも よく良く長生きしてくださり、心おきなく大往生とお察しいたします。どうぞ、お疲れが出ませぬよう。心と体をおいといくださいね。心落ち着かれ機会がありましたら、又お話などできれば、、と思っております。本日はとりあえず お母さまのご冥福を心よりお祈りしてペンをおかせていただきます。
☆4 ジュンタン♥ おひさしぶり!
しばらく 会ってないけど 元気にやってますか?学校がはじまって 今どんなことが 一番たのしい?最近、ばあちゃんは、奇妙なことに気がついたの。それはねえ、ばあちゃんの体の中に どうも いろんな動物が住んでるみたいなの。え?どんなって? 今朝、ごはんを食べようと思って お箸を持った瞬間、「ぐわ~」って、とても大きなゲップが出たの。ねえねえが「なにか、動物飼ってるの?」って笑ったので、ばあちゃんは考えました。そうね~。これは、恐竜かな? そう言えば ガマガエルの時もあるな~。「グエッ」って、。「いやだ~」って、、、それに ゴロゴロって、お腹の中で雷さんの子供が運動会する時もあるよ。 それで、予期せぬ時に「プッ」って下からゴロゴロさんの子供がとびだすの。あんまりひどい時は、 お医者さんで 雷さんの子供が静かになるように お薬おをもらうけど、 最近、ばあちゃんの体の中には いろんな動物を飼ってるような 大発見をしました。ジュンタンの大発見があったら 教えてね。それではまたね。
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