わたし

あなたがわたしの視界から消え

あなたとの記憶がやわらかいそよ風に流されてゆく

淡い緑色の5月の匂いと共に

忘れてゆく うすらいでゆく

あきらめと言う どん底を見つめて

あれから どれほど時が経っただろう


分かれが訪れたときの

あの二人は

何もかも本当じゃなくて

あなたは知らないうちに

うまく大人になってしまった


どこへ流れゆく

あなたと生きたわたしの抜け殻

川の流れに翻弄された枯れ葉のように

自分の意志とは裏腹に

違う何かに支配され

流されてゆく 流されてゆく

ちっぽけな わたし


かなしみの沼地


この悲しみの源はどこから来るのだろうか

何処かに何かを置き去りにしたまま

ずっと生きている

その悲しみに気づかないふりをして

ずっと生きてきた

絶望のどん底に突き落とされたように

かなしみの沼地へはまりこんでゆく

もがき苦しんでいる

なのに笑っているわたし

どうして?

誰にも理解されないかなしみ

何処かに何かを置き去りにしたまま

わたしは生きている

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