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静かな夜

夜になると 遠い海のことを想う

人間は海からやってきた

波の音は胎児が聞く母の心臓の音

海の偉大さに飲み込まれ 抱かれ

わたしは遠い海のことを想う

夜になると はるかな宇宙を想う

星を見上げ 月の光に癒され

まだ出会っていない未知の世界を

そして遥か彼方の恋人のことを想う


夜になると この青い地球(ほし)を想う

広い空は狭くなり 緑の木々は消えてゆく

そして人間であることの悲しみに気づく

この美しい地球(ほし)の行く末を

宇宙にひとつしかないこの地球のことを想う


えんぴつけずりの夢


鉛筆削りの夢を見た

それは小さなえんぴつけずり

赤いのや青いの 黄色いのや丸いの

いろんな色のえんぴつを

クリクリとまわしていく

心の中でじゅもんをとなえて

そっとえんぴつを取り出すと

先に0.5センチほどの芯が顔を出す

もう一本 もう一本

ぼくは夢の中で

それは小さなえんぴつけずりで

色のついたえんぴつをけずってゆく

7本のえんぴつをけずり終えると

それは虹の色だった

そのとき目が覚めた

ぼくは野原でうたた寝をしていた

青い空にはぽっかりと白い雲が浮かんでいた

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