苦手でもいいじゃない
難しい文章を読むのが苦手だ。
難しい文章というのは、難しい言葉や漢字が羅列されている文章のことで、この手の文章を読むのが本当に苦手だ。
文章を読むのは好きなはずなのに、読みとれない。
これは、中学生のころからの悩みだった。
小学生のころ、平日は学校の図書室に本を借りに行って毎晩読むのが好きだった。
特にシリーズものが好きで「こそあど森シリーズ」や定番の「かいけつゾロリシリーズ」にもはまった。
毎週日曜日はスイミングスクールの帰りに地元の市民図書館に行くのが習慣で、大きなリュックサックに入りきれないほどの本を借りて帰って、お昼間は時間を忘れて本を読むのが好きだった。
本を読むことだけでなく、作り物語を書くことも好きだった。
学校の帰り道に頭の中で作った物語を、家に帰ったらランドセルを放り投げて、広告の裏に書くのが好きだった。
物語の中では、ケーキ屋さんのくまさんにもなったし、かわいい魔女の女の子にも、憧れのお姫様にもなった。
どれも最後までお話を完結したことはなかったけれど(私らしい)、お母さんは広告の裏紙に書かれた私の作り物語を読んではよく褒めてくれた。
あとは学校で起こった出来事をおもしろおかしく新聞にすることも好きだった。
学校であったことを事細かくお母さんに話すことも、学級新聞を作ることも(当時は新聞委員だったくらい)好きだったから、お母さん用に今日の出来事新聞を作ったら、ものすごくおもしろかったらしく、お母さんは他のお母さん友達にも見せてあげたらしい。
この新聞も第一回の発行をもっていつのまにか終わってしまったけれど楽しんで書いたことは覚えている。
そのくらい小学校のころの私は文章を読むのも、書くのも、つくるのも好きだった。
けれど、中学生になってから現代文を読むのが苦手になった。
小学生のころのように自分の好きなように読んでも、先生の教える正解の答えのとおりに登場人物の感情を読み取れなかった。
他の教科のテストなら勉強すれば90点取ることは簡単だったのに、現代文のテストだけはどんなに読み込んでも90点を取れなかった。
先生のいうような正しい読み取りができないから、現代文が苦手になった。
中学高校は勉強にはまった。
毎日先生の話と教科書から新しいことを知るのは楽しかった。
現代文は正解の読み方をしないといけないから苦痛だったけど、先生の話と他の教科の教科書なら好きに解釈しながら聞いたり読んだりしていいから楽しかった。
こうして気づいたら本を読まなくなっていた。
あんなに本が大好きだったけど、中学高校では図書室にも行ってないし、覚えている限り本を1冊も読んでいない。
日々勉強に追われ、空想する時間も減り、本や新聞をつくることもなくなっていた。
本を読まなくなると、知っていた言葉や表現がどんどんなくなっていくみたいで、簡単な感想文や毎日の生活ノート(担任の先生とやり取りするノートで3行ほど今日の記録を書く欄があった)ですら書くことが億劫になった。
気づけば国語は一番の苦手科目になり、私は得意だった化学や数学のある世界へ。
大学も理系の学部へ進んだ。
難しい文章を読むのが苦手だ。
中学生のときの文章を読み取れなかったトラウマからか、それとも本を読まなくなったからか、私の読解力は小学生で止まっているみたい。
だから今まで興味はあったけれど、難しい漢字と言葉でいっぱいの新聞を読みきらなかった。
それをずっと見てみぬふりをしてきたけど、昨日そんな自分を受け入れて一歩踏み出してみた。
小学生向けに発行されている「子ども新聞」を試し読みしてみることにした。
「子ども新聞」は毎日新聞、朝日新聞、読売新聞の3社が発行していて、どれも無料で試し読みができた。
月にかかる料金も安いし、私でも楽しんで読めるものがあればこれから頼んでみようかなと思っている。
その試し読みの新聞が明日から届く。
だからすでに今から明日の朝が楽しみなのである。
今日の絵本
「わたしのワンピース」
福岡の薬院にある絵本屋さんにあり、即買いしてしまったもの。
もし子どもができたら、読み聞かせ1冊目はこの本と決めています。
もちろん日本語版で!
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