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【刑事訴訟法】司法試験、予備試験

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旧司法試験 刑訴法 平成21年度 第1問

旧司法試験 刑訴法 平成21年度 第1問


問題警察官Aは、振り込め詐欺事件に関与した疑いの濃厚な被疑者甲について、銀行の現金自動預払機から現金を引き出す際に防犯ビデオカメラに写っていた犯人との同一性を判断するため、甲宅前路上から、同宅2階の居室を監視し、その窓のカーテンを開けて甲が窓越しに顔を見せた際、所携のビデオカメラで、甲の容ぼうを撮影した。また、警察官Bは、防犯ビデオカメラに写っていた犯人の右手首のあざが甲にあるかを確認するため、

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司法試験予備試験 刑訴法 令和2年度

司法試験予備試験 刑訴法 令和2年度


問題次の【事例】を読んで、後記〔設問〕に答えなさい。

【事例】甲は、①「被告人は、令和元年6月1日、H県I市内の自宅において、交際相手の乙に対し、その顔面を平手で数回殴るなどの暴行を加え、よって、同人に加療約5日間を要する顔面挫傷等の傷害を負わせたものである。」との傷害罪の公訴事実により、同月20日、H地方裁判所に起訴された。
同事件について、同年8月1日、甲に対し、同公訴事実の傷害罪により有

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司法試験予備試験 刑訴法 令和元年

司法試験予備試験 刑訴法 令和元年


問 題次の【事例】を読んで,後記〔設問〕に答えなさい。
【事例】
令和元年6月5日午後2時頃,H市L町内のV方において,住居侵入,窃盗事件(以下「本件事件」という。)が発生した。外出先から帰宅したVは,犯人がV方の机の引出しからV名義のクレジットカードを盗んでいるのを目撃し,警察に通報したが,犯人はV方から逃走した。
警察官PとQは,同月6日午前2時30分頃,V方から8キロメートル離れたL町の隣

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司法試験予備試験 刑訴法 平成30年

司法試験予備試験 刑訴法 平成30年


問 題次の【事例】を読んで,後記〔設問1〕及び〔設問2〕に答えなさい。
【事例】
警察官PとQが,平成30年5月10日午前3時頃,凶器を使用した強盗等犯罪が多発しているH県I市J町を警らしていたところ,路地にたたずんでいた甲が,Pと目が合うや,急に慌てた様子で走り出した。そこで,Pが,甲に,「ちょっと待ってください。」と声をかけて停止を求めたところ,甲が同町1丁目2番3号先路上で停止したため,同

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司法試験予備試験 刑訴法 平成29年

司法試験予備試験 刑訴法 平成29年


問題次の【事例】を読んで,後記〔設問1〕及び〔設問2〕に答えなさい。
【事 例】
平成29年5月21日午後10時頃,H県I市J町1丁目2番3号先路上において,Vがサバイバルナイフでその胸部を刺されて殺害される事件が発生し,犯人はその場から逃走した。
Wは,たまたま同所を通行中に上記犯行を目撃し,「待て。」と言いながら,直ちに犯人を追跡したが,約1分後,犯行現場から約200メートルの地点で見失った

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司法試験予備試験 刑訴法 平成28年

司法試験予備試験 刑訴法 平成28年


問 題次の【事例】を読んで,後記〔設問1〕及び〔設問2〕に答えなさい。
【事 例】
平成28年3月1日,H県J市内のV方が放火される事件が発生した。その際,V方玄関内から火の手が上がるのを見た通行人Wは,その直前に男が慌てた様子でV方玄関から出てきて走り去るのを目撃した。
V方の実況見分により,放火にはウィスキー瓶にガソリンを入れた手製の火炎瓶が使用されたこと,V方居間にあった美術品の彫刻1点が

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司法試験予備試験 刑訴法 平成27年

司法試験予備試験 刑訴法 平成27年


問 題次の【事例】を読んで,後記〔設問1〕及び〔設問2〕に答えなさい。
【事 例】
甲は,平成27年2月1日,L県M市内の路上において,肩が触れて口論となったVに対し,携帯していたサバイバルナイフで左腕を切り付け,1か月間の加療を要する傷害を負わせた。
司法警察員Pらは,前記事実で逮捕状及び捜索差押許可状(捜索すべき場所及び差し押さえるべき物の記載内容は,後記のとおり)の発付を受けた上,同月2日

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司法試験予備試験 刑訴法 平成26年

司法試験予備試験 刑訴法 平成26年


問 題次の【事例】を読んで、後記〔設問〕に答えなさい。
【事例】
司法警察員Kらは、A建設株式会社(以下「A社」という。)代表取締役社長である甲が、L県発注の公共工事をA社において落札するため、L県知事乙を接待しているとの情報を得て、甲及び乙に対する内偵捜査を進めるうち、平成25年12月24日、A社名義の預金口座から800万円が引き出されたものの、A社においてそれを取引に用いた形跡がない上、同月

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司法試験予備試験 刑訴法 平成25年度

司法試験予備試験 刑訴法 平成25年度


問 題次の記述を読んで、後記〔設問1〕及び〔設問2〕に答えなさい。
甲は、傷害罪の共同正犯として、「被告人は、乙と共謀の上、平成25年3月14日午前1時頃、L市M町1丁目2番3号先路上において、Vに対し、頭部を拳で殴打して転倒させた上、コンクリート製縁石にその頭部を多数回打ち付ける暴行を加え、よって、同人に加療期間不明の頭部打撲及び脳挫傷の傷害を負わせたものである。」との公訴事実が記載された起訴

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司法試験予備試験 刑訴法 平成24年度

司法試験予備試験 刑訴法 平成24年度


問題次の【事例】を読んで、後記〔設問〕に答えなさい。
【事例】
1 警察官Kは、覚せい剤密売人Aを取り調べた際、Aが暴力団組員甲から覚せい剤の購入を持ち掛けられたことがある旨供述したので、甲を検挙しようと考えたが、この情報及び通常の捜査方法のみでは甲の検挙が困難であったため、Aに捜査への協力を依頼した。Aは、この依頼を受けて、事前にKから受け取ったビデオカメラをかばんに隠し、平成24年3月10日

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司法試験予備試験 刑訴法 平成23年度

司法試験予備試験 刑訴法 平成23年度


問題次の記述を読んで、後記の設問に答えなさい。
警察官は、甲が、平成23年7月1日にH市内において、乙に対して覚せい剤10グラムを30万円で譲渡したとの覚せい剤取締法違反被疑事件につき、甲宅を捜索して現金の出納及び甲の行動等に関する証拠を収集するため、H地方裁判所裁判官に対し、捜索差押許可状の発付を請求した。これを受けてH地方裁判所裁判官は、罪名として「覚せい剤取締法違反」、差し
押さえるべき物

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旧司法試験 刑訴法 平成10年度 第2問

旧司法試験 刑訴法 平成10年度 第2問


問題捜査官は、偽造の供述調書を唯一の資料として甲方の捜索差押許可状の発付を受け、同人方を捜索して覚せい剤を差し押さえた。そして、右覚せい剤を資料として、「甲は自宅において覚せい剤を所持していた」との被疑事実につき、甲に対する逮捕状の発付を得て、甲を逮捕した。甲は、逮捕・勾留中に右事実について自白し、供述調書が作成された。公判において、甲は右覚せい剤の取調べについて異議がないと述べ、自白調書の取調

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旧司法試験 刑訴法 平成20年度 第2問

旧司法試験 刑訴法 平成20年度 第2問


問題被告人甲は、Aと路上で口論の末、その場を立ち去ろうとしたAを背後から手で突き飛ばし、その場に転倒させ負傷させたとして、傷害罪で起訴された。これに対して、甲は、「Aと口論をしたが、Aに対して暴行は加えておらず、その場から立ち去ろうとしたAがつまずいて転んだにすぎない。」旨弁解している。
公判廷で、証人Bが、「甲とAが口論しており、その場を立ち去ろうとしたAが、自分で勝手につまずいて転倒したのを

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旧司法試験 刑訴法 平成16年度 第2問

旧司法試験 刑訴法 平成16年度 第2問


問 題現住建造物等放火の共同正犯として起訴された甲と乙は、公判廷において、いずれも公訴事実を否認している。検察官は、甲が捜査段階で警察官Aに対して「乙と一緒に放火した。」旨を述べた供述調書の取調べを請求した。これに対して、甲乙それぞれの弁護人が異議を述べた。審理の結果、警察官Aの取調べ中、否認していた甲に対して、Aが「甲と乙が火をつけるのを目撃した者がいる。」旨の虚偽の事実を告げたため、甲の上記

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