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アースウォッチ環境DNA調査マニュアルQ&A

アースウォッチ 「環境DNAを用いた魚類調査プロジェクト(Supported by: 株式会社カカクコム)」の調査マニュアルに関するQ&Aです。


調査準備のQ&A

Q1. バケツは金属製でもいいですか?
A1. 金属製でも大丈夫です。

Q2. バケツはどんなものがいいですか?
A2. 持ち運びを考えると、折り畳みができるバケツが便利です。バケツが大きすぎると、水を汲み上げるのが大変になるので、少し小さめ(30 cmくらい)のバケツが使いやすいです。ちょうどいいサイズのものがあるのであれば、新品でなくても大丈夫です。

Q3. バケツの除染に使うハイターですが、ハイターの代わりにアルコールまたは電解アルカリ水でもいいですか?
A3. ハイターでお願いします。

Q4. スプレーではなくつけおきのハイターの場合、濃度はどれくらいですか?
A4. バケツ一杯の水に、キャップ1~2杯で大丈夫です。

Q5. 新品のバケツでもハイター除染が必要ですか?
A5. バケツは新品でも除染してください。

Q6. 保冷剤は、魚が入っていた冷凍庫では冷やさない方がいいですか?
A6. 冷凍庫に入っていた魚のDNAがついてしまうかもしれませんので、ジップロックやビニール袋などに入れて冷やし、調査の際にはジップロックなどから取り出して使用してください。

調査のタイミングと時間のQ&A

Q7. 潮(大潮や小潮、満潮や干潮など)の調査結果への影響が気になるのですが、調査時間を選んだ方がいいですか?
A7. まずは安全を第一に考えて、選んでください。どちらでも安全が確保できるのであれば、満潮の方が干潮より水がきれいですし、環境DNAもたくさん入っていると思います。

Q8. 調査にかかる時間はどれくらいですか?
A8. 人と場所によりますが、2時間くらいだと考えてください。

Q9. 雨が降った時は、どうすればいいですか?
A9. 調査中であれば、そのまま続けても大丈夫です(安全面では気をつけてください)。調査前日に大雨が降った場合は、翌日の調査は避けた方がいいです。大雨の後は、土砂が流れてきて海水がにごったり、植物プランクトンが大量発生したりするので、いい結果が出ないことがあります。調査前日に普通の雨が降った場合は、翌日の天候が穏やかであれば調査が可能です。できるだけにごっていない海水をとるように気をつけてください。にごっていると、カートリッジがすぐにつまってしまいます。

Q10. 調査予定の全日程で天候不良になってしまいました。どうすればいいですか?
A10. まずは調査を延期してください。もし、調査の日程や場所を変えて調査可能なのであれば、変更を検討してください。場所を変更する際は、調査の前に必ず連絡してください(日程変更だけの場合は、連絡の必要はありません)。

Q11. 緊急事態宣言が出てしまいました(2021年調査時)。調査の日程を延期してもいいですか?
A11. 調査期間を8月末までに変更しました。再び緊急事態宣言などが出た場合は、またご連絡します。

調査地のQ&A

Q12. 調査する前に、調査地で遊んだり生物を採集するというのは控えた方がいいですか?
A12. 調査前は控えてください。後であれば大丈夫です。

Q13. 他の人が海水浴をしていたり、釣りをしていたりする場合は、移動した方がいいですか?
A13. 海水に人のDNAが入らない方がいいですが、百メートルほど離れていれば、それほど気にする必要はありません。ただ、トラブルを避けるために、数百メートル離れていた方がいいでしょう。ある程度離れた場所に人がいることは、安全面では安心です。

Q14. 近くに魚市場やレストラン、工場があるのですが、場所を変えた方がいいですか?
A14. 海水に他のDNAが混ざる危険性があるので、できれば数百メートル離れた場所にしてください。

Q15. マニュアルにしたがって、1回目から5回目の採水の場所を少しずつ変えました。どの場所の位置情報を記録すべきですか?
A15. 一番最初の場所を記録してください。

Q16. 潮溜まりの海水でも、にごっていなければ良いのでしょうか?
A16. 潮溜りは避けてください。特定の魚の環境DNAが濃くでてしまったり、検出される種類数が少なくなってしまいます。

Q17. 砂浜と突堤だと、どちらからの採水の方がいいですか?
A17. 突堤の方が安全だと考えられています。波打ち際は、急に大きな波がきて危ないことがあります。

採水・ろ過と保存のQ&A

Q18. 砂浜で採水したいのですが、注意点はありますか?
A18. できれば、突堤などから採水してください。もし、砂浜から採水するのであれば、安全面に十分注意してください。また、海の中に歩いて行くことで、砂や泥を巻き上げてしまうので、ろ過の前に、バケツ内で砂や泥を十分沈殿させてから、ろ過を行ってください。

Q19. 採水した後、安全にろ過できる場所まで移動するのに、少し時間がかかります。採水後、保存液注入までの時間はどのくらい許容されますか?
A19. できるだけ早い方がいいですが、数時間以内であれば大丈夫です。

Q20. 採取した日に送付できない場合は、どうすればいいですか?
A20. ビニール袋やジップロックなどに入れて、冷蔵庫で保存します(必ず「冷蔵」です。「冷凍」ではありません!)。冷蔵庫に魚が入っている場合は、なるべく魚から離して置いてください。置く場所を、前もってキッチンペーパーなどで拭いておくと、関係のないDNAに汚染されにくくなります。数日以内に、クロネコヤマトのクール宅急便「冷蔵タイプ」で送ってください。

その他のQ&A

Q21. 季節ごとの魚の種類の変化も面白いと思うのですが、そういったものも環境DNAの調査で見ることができますか?
A21. 一週間ごとの環境DNA調査などでは、季節変化を見ることができています。

Q22. 環境DNAから種を同定するための携帯型の安価なシーケンサーがあれば重宝するのですが、そういう機器はないのでしょうか?
A22. 今のところは、まだありません。

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