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怒涛の4連勝!&2試合連続上位陣撃破! 東京ヴェルディ戦レビュー(2022年J2第12節)

こんヴァンフォーレ!
今回は4月27日(水)に行われた
2022年J2第12節
ヴァンフォーレ甲府vs東京ヴェルディのレビューをお届け!
※連戦の忙しさに完敗し、更新が遅れて大変申し訳ありません。


1.概要

大宮と金沢にアウェー戦で2連勝し、勢いを持って挑んだ5連戦初戦の前節・町田戦は金沢戦途中から採用した右肩上がりの可変システムが機能し、須貝選手の2試合連続のゴールで今季初のクリーンシートで3連勝を果たした。

連戦2試合目となる今節は中3日、移動がないホーム2連戦となる中で3位・東京ヴェルディを迎えた一戦となる。

東京はここまでリーグ内トップの得点力を誇っており、ここまでの11試合全ての試合で得点をあげている。
甲府としては、開幕から負傷者などの関係でなかなか安定しなかった守備陣が前節の町田を完封した良いイメージを持って試合に臨めるかが重要だと思われる。


2.選手紹介

ヴァンフォーレ甲府

まずは、ホームのヴァンフォーレのメンバー

ヴァンフォーレ甲府 スターティングメンバー

フォーメーションは変わらず3-6-1
メンバーは3人を入れ替えて今節に挑む。
3バックは変更なく、今節も右ストッパーに須貝選手が入り、右肩上がりの可変スタイルが1つのベースとなる。

ボランチは林田選手に代えて石川選手
左シャドーに前節負傷したと思われるエース・長谷川選手に代えて宮崎選手
1トップはリラ選手に代わり、三平選手が入る。

フィジカルを活かし、前線でためを作れるリラ選手とアタッキングサードでのボールキープと攻撃のアイデアマン長谷川選手を今節はスキップさせる布陣
ビルドアップからボールを繋ぎ、ポゼッションを高める東京を相手に三平選手・宮崎選手らフレッシュな選手たちが運動量の部分で攻守においてハードワークできるかが東京の攻撃陣を封じ込めるカギを握る。

東京ヴェルディ

続いて、アウェー・東京のメンバー

東京ヴェルディ スターティングメンバー

4-3-3のフォーメーション
前節から4人メンバーを変更し、アンダー世代の日本代表・山本選手やドリブラー・新井選手がジョーカー的な立場でベンチに控える。

1トップに入る佐藤選手が高い得点力を持つ選手で昨季も二桁得点、今季もここまで4ゴール
今季はここまで無得点だが、昨季は17ゴールを決めている右ウイングの小池選手らに注意が必要で、攻撃の起点になる1ボランチの梶川選手に自由にプレーをさせたくないところ。

コロナの関係で堀監督がベンチ入りできなかったり、直近3試合で勝利がない状況の中で上位陣追走のために高いモチベーションで臨んでくることが予想される。


3.試合結果

2022年J2第12節 ヴァンフォーレ甲府vs東京ヴェルディ スコア表

ベテラン・三平選手の大活躍により東京相手に2試合連続のクリーンシートを達成!
ここまで全試合でゴールを決めていた東京攻撃陣を沈黙させた守備陣の安定が見られ、大きな収穫を手に入れた。

怒涛の4連勝を達成した今節の戦いの流れを振り返る!

前半10分 石川選手のレーザーミドル炸裂!!

左サイドからショートパスを受けた石川選手が右足を強振!
地を這う強烈なミドルシュートは相手GK前でワンバウンドし、軌道が伸びるとGKは弾くのが精いっぱい
こぼれ球に三平選手がいち早く詰めるもGKの素早いリカバリーに防がれ先制ゴールならず。

前半13分 浦上選手のロングフィードから宮崎選手がフィニッシュ!

DFラインから浦上選手が絶妙なロングフィードを前線に送り込む
東京DF陣のハイラインの裏を取った宮崎選手が反応し、シュートするもゴール前構えていたキーパー正面
キーパーが飛び出して来ず、DFも追いつけていなかったので、ワントラップの余裕があるように見えただけに惜しいシーンだった

前半17分 山田選手の今季初ゴールで先制!

河田選手のロングキックを左サイドで収めた宮崎選手が中央へ切り込むと見せかけ、スローダウンし再び左サイドへ切り返す
東京DF2人を引き連れた瞬間にボランチから攻撃参加した山田選手へヒールパスでボールを繋ぐと山田選手はシンプルにワンタッチで三平選手に預けて前線へランニングを開始
三平選手はミドルシュートを狙うモーションを見せると前線に駆け上がった山田選手に絶妙なパスを供給すると、ゴール前でGKとDFに迫られながらもシュートを決め切り、貴重な先制ゴールを手に入れた

前半39分 河田選手の好セーブでピンチを逃れる

東京の右サイドからアーリークロスがゴール前に上がる
クリアしたボールが転がるとペナルティアーク付近から森田選手が左足でグラウンダーのシュートを放つ
濡れたピッチにバウンドボールと対応しずらいボールだったが、河田選手が安定したキャッチングで難を逃れる

前半終了

試合前の吉田監督のコメントに、東京にボールを持たれてしまう時間もできてしまうという話があったが、スタッツ上でも6割以上が東京がボールを支配しているというスタッツであった

しかし、東京の支配率に対して苦しい時間帯はあったながらも前線の選手を中心としたハードワークで隙を作らず、いくつかの決定機の中の1つで先制点を奪って前半を終えることができた

後半16分 ショートカウンターからPK獲得!

ミドルサード敵陣側で相手のミスから鳥海選手がボールを奪うと2タッチ目でDFライン背後に巧みに抜け出した三平選手へスルーパス
ドリブルでゴール前に持ち込むと、馬場選手のタックルで倒されてPKを獲得

後半18分 お祭り漢の追加点!

三平選手が自身が得たPKのキッカーとなる
助走の途中で一度スローダウンし、キーパーの動きを見てからゴールのほぼ中央へ柔らかいキックを蹴り込むと、キーパーに触られはしたものの決め切り、追加点を奪った
第8節仙台戦振りとなる今季2ゴール目をゲット!

後半39分 東京の攻撃を凌ぐ甲府

GKからのロングボールに東京の右サイドのバスケス・バイロン選手が反応
小林選手との1vs1を制し、ゴール前に折り返すと阿野選手がシュートを放つ
しかし、守護神・河田選手が足で反応し、決定的なピンチを死守した


後半途中出場のサイドアタッカーであるバスケス・バイロン選手と新井選手を中心にチャンスを作られるも、河田選手を中心に身体を張った守備で最後までゴールを守り切った甲府がホームで2試合連続のクリーンシート、そして連勝を4に伸ばした


4.今節のポイント

①石川俊輝選手の存在

前回町田戦のレビューのポイントでも記述しましたが、町田戦の後半17分から途中出場した石川選手。
やはり連戦とはいえ、前節は出場時間が短かったため今節はしっかりとスターティングメンバーに名を連ねた。

右肩上がりの可変システムの採用により意図的なアンバランスを構築することによって、攻撃時には数的優位を生み出すポジショナルプレーを実現している反面、ネガティブトランジションの際には須貝選手の背後を取られやすくピンチにつながりやすいというリスクを負う形であるために、目立たないながらもこまめにバランスを取り、リスクマネジメントの動きができる石川選手の存在は大きい。

さらに、持ち前の球際の強さとセカンドボール回収力に加え、昨年途中から特に多くなった攻撃時の前線へキーパスを送り込める山田選手の攻撃センスを生かすために、須貝選手の攻撃参加の穴埋めだけでなく、山田選手の攻撃参加のフォローに動ける選手がボランチにいるのはこのタイミングで石川選手がスタメンに名を連ねることができる点でチーム力アップに大きく関わっている。

結果、今節の1点目は山田選手が1トップ三平選手が中盤でボールを受けたために入れ替わりで最前線に飛び出していったことで生まれたゴールではないかと思う。

山田選手の相方として、現状では林田選手や松本選手がいて、それぞれ特徴のある動きができる選手たちなので優劣はつけられないが、現状のシステムで不動のボランチとして君臨している山田選手の相方としてのファーストチョイスは石川選手になっていると思う。

②三平選手のベテラン感

ベテラン感というか、ゴール前での余裕という部分なのかなんともいえないが。

ベテランらしく、落ち着きがある選手(ピッチ外での三平選手の感じ方は人それぞれだと思いますが笑)だなというのが今節特に印象的だったと個人的には思った。

前半の石川選手のミドルシュートに誰よりもいち早く反応している嗅覚
1点目のラストパスのシーンにおいて、1トップながら中盤に落ちてゲームメイクに関わる動き、そして視野の広いラストパス
PK獲得の直前、鳥海選手がボールを奪った後の相手のDFラインの背後を狙う切り替えの早さ
そして、キーパーの動きを見つつ、後ろから迫ってくるDFの気配を感じながらのボールキープからのPK獲得

おそらく、同じ1トップでプレーするリラ選手とパライバ選手がしないであろうプレーでチームに貢献している印象(そもそも外国人選手2人とはプレースタイルが違うが)

自身ができる範囲のプレーでチームの勝利に貢献する姿はベテランとして多くの若手たちの見本になるような選手だと思う。

今後も三平選手の活躍に期待大!

③PKシーン(ポイントという話から逸脱するが)

②にも関わるかもしれないし、あくまで個人的な見解となるが(笑)
どうしても突っ込んでおきたい話(笑)

今節の数時間前に行われたヨーロッパ最強クラブを決定する大会
UEFAチャンピオンズリーグの準決勝の試合が行われていた

イングランドのマンチェスター・シティとスペインのレアル・マドリードが激突したこの試合は激闘の末、4-3でマンCが競り勝って第2戦に挑む結果となった。
この試合のレアルの3点目、フランス代表のベンゼマ選手が決めたPKの得点が、チームが負けている状況で、しかも敵地でプレッシャーがかかる中で行うにはかなりのハイレベルな芸当であった。

PKの技術の1つで、左右どちらかにキーパーが飛ぶのを見極めてからタイミングをずらして、キーパーがいない方向にゆるーいシュートをチップキックで蹴り込むという通称「パネンカ」という技術があり、それをベンゼマ選手は大舞台でやり遂げたのだった。

そして、今節
三平選手が決めた2点目のPKのシーンを振り返ると・・・
助走の段階で一度スピードダウンしてタイミングをずらしていること、キーパーが飛んだのを見計らってゴールほぼ正面に蹴り込んでいること、おそらくチップキックではないが比較的ゆるめのシュート蹴っていること

以上の点を踏まえて、三平選手はベンゼマ選手のパネンカを試合前のどこかのタイミングで見て、今節の自身のPKで実践したのではないか!!!
と勝手に思っています(笑)

真相はまったくもってわからないが、どうしても突っ込んでおきたかったので書いてみました(笑)
何はともあれ、重要な2点目がかかった局面であのプレーができる三平選手はさすがだったのは間違いない。


5.まとめ

リーグトップクラスの攻撃力を誇る東京ヴェルディを下して、もはやV字回復ともいえる4連勝!
開幕8試合で勝点6、一時は20位と降格圏一歩手前まで沈んでいたヴァンフォーレであるが、その後の4試合、半分の試合数で倍の勝点をもぎ取り、一転してプレーオフ圏内一歩手前の7位まで持ち直した。
コロナや負傷者続出で苦しんだ中でも、直向きに自分たちを信じて戦ってきた過程がやっと結果になってきたと思う。

シーズンを3分割すると序盤戦も終わりに向かっているが、昨季からの継続と自分たちの成長を信じた精神力でこれからの中盤戦に飛び込んでいくことにより一層期待を膨らませていきたい!

次戦で5連戦のちょうど真ん中、中2日で水戸へ移動してのアウェー戦となり、コンディション的になかなか厳しい中での一戦となるが、ヴァンフォーレに関わる人全員で一体となってこれからの戦いに挑んでいきましょう!


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