見出し画像

ホーム初勝利!&3連勝達成!FC町田ゼルビア戦レビュー(2022年J2第11節)

こんヴァンフォーレ!
今回は4月23日(土)に行われた
2022年J2第11節
ヴァンフォーレ甲府vsFC町田ゼルビアのレビューをお届け!

1.概要

今節の第11節から第15節まで、GW期間を利用した中2日・中3日で試合が行われる5連戦がスタート!
デイゲームでは気温が高くなる試合も増えてくる中、連戦で疲労やコンディション不良、最悪の場合は負傷なども考えられるので、チームの総力戦ということが1つのポイントとなる。

この5連戦の日程を確認してみると
4月23日(土) vs町田(H) 14:00K.O
中3日
4月27日(水) vs東京(H) 19:30K.O
中2日
4月30日(土) vs水戸(A) 16:00K.O.
中3日
5月4日(水) vs群馬(H) 14:00K.O.
中3日
5月8日(日) vs栃木(A) 16:00K.O.

ハードスケジュールであることは間違いないが
①ホーム2連戦でスタートできること
②移動のことを考えてもアウェー戦は水戸と栃木という関東地方のチームとの対戦になるため、最小限の移動距離で済む
上記2点の日程も味方につけて好成績を収めたいところ。

さて、今節の対戦相手であるFC町田ゼルビア。
現在5勝3分2敗 勝点18 で昇格圏内である2位につけている。

オーストリア出身のランコ・ポポヴィッチ監督の2回目の就任から3年目を迎える。
着実に積み上げてきたスタイルと攻撃陣を中心とした豊富なタレントでスタートダッシュは決めたが、3月末に大宮に勝利したのを最後に2分1敗と4月に入ってからは白星に恵まれていない。

とはいえ、勝てていなくてもゴールは奪えていて、町田らしいサッカーも展開できているようなので内容に結果が伴っていないという印象。
この試合が再び好調を取り戻すきっかけにはさせたくないところ。

目が行きがちなのは元北朝鮮代表のチョン・テセ選手やヴァンフォーレ甲府のアカデミー出身・太田選手らの攻撃陣だが、ここまで10試合で失点7という数字はリーグ内で2位の少なさ。チーム全体で攻撃のみならず、守備においてもハードワークするチームなので、町田の堅守を崩せるかにも注目だ。

昨年は唯一ダブル(2戦2敗)を許した相手であるので、昨年の悔しさを持って、今季ホーム初勝利と3連勝、そして吉田監督にとって2017年J1最終節の仙台戦振りとなる小瀬での勝利を目指して戦う。

2.選手紹介

ヴァンフォーレ甲府

まずはホームのヴァンフォーレのメンバーから。

お馴染みの3-6-1のフォーメーション。
前節からのメンバー変更は1人、負傷した北谷選手に代わって小林選手が今季初先発となった。
金沢のマンツーマンディフェンスの戦術で抜群の効果を発揮した、須貝選手を活かした右肩上がりの可変システムが上位チームである町田にどこまで通用するのかが今節の重要なポイントとなる。

FC町田ゼルビア

続いて、アウェーの町田のメンバー

FC町田ゼルビア

ヴィニシウス・アラウージョ選手のやや低めの位置に長谷川選手を配置する
4-4-2(4-4-1-1)のフォーメーション。

注意すべきは
昨季まで山形のエースストライカーだったヴィニシウス・アラウージョ選手
圧倒的セカンドボール回収率を誇る佐野選手
ここまで5ゴール4アシスト、平戸選手
などなどたくさんいるのでこのくらいで。

リザーブの太田選手は
2020年甲府でブレイクし、昨年町田へ移籍した甲府の下部組織出身の選手
途中出場で甲府サポならご存じのスピードを活かした前への推進力あるプレーには警戒が必要。

その他、翁長選手(帝京第三高出身)など山梨県に縁のある選手が多いことも頭の片隅に置いておきたい。

3.試合結果

気になる試合結果はこちら!!

ヴァンフォーレ甲府vsFC町田ゼルビア スコア表

須貝選手の2試合連続ゴールを守り切り、ウノゼロで勝利!
今季ホーム初勝利、3連勝を達成した。

試合の流れを振り返っていく!

前半21分 鳥海選手技ありヘッド!

ビルドアップや前線へのスルーパスがうまくはまらず、流れがあまり良くない町田に対し、甲府はボールを支配して町田ゴールへ迫る。
関口選手の浮き球のパスに反応した鳥海選手がキーパーの位置を見てループ気味にヘディングを狙うも枠外に。

前半29分 長谷川選手2試合連続クロスバー・・・

敵陣右サイドで鳥海選手が粘りを見せ、山田選手にボールが渡る。
山田選手は斜めにスペースへ走り込んだ長谷川選手にパスを送るとワントラップからゴール左上へ狙いすましたシュートを放つも、金沢戦に続きクロスバーに嫌われてしまう。

前半32分 前半最大のピンチ

中盤の佐野選手から斜めに走り込んだ山口選手がPA内に一気に侵入し、決定機を迎えるが、諦めずに山口選手を追いかけた関口選手が渾身のスライディングでシュートを打たせなかった。

前半終了

なかなかリズムを作れず、シュート0の町田に対し、今季ここまでの中でベストといっていいほどの前半戦の内容で試合を折り返す。
ゴールを奪えていたらパーフェクトに近かったはず。
前節に引き続き、町田相手にも右肩上がりの可変システムが機能し、高い位置をとる須貝選手、鳥海選手、関口選手が連動して右サイドを攻略するシーンが印象的な前半戦だった。

後半開始

前半の流れを変えるため、町田はハーフタイムで2枚替え。
なかなかボールの収まらなかったヴィニシウス・アラウージョ選手に代えて、チョン・テセ選手
山口選手に代わって、太田選手を投入し前線を活性化させてきた。

後半4分 後半立ち上がり、町田が盛り返す

一度はボールを奪うも、町田に再び奪い返され、最後は後半から出場のチョン・テセ選手がシュートを放つが、河田選手が危なげなくキャッチ。
途中出場の選手が攻撃に勢いをもたらし、前半とは打って変わって町田がペースを掴む展開になる。

後半10分 再びチョン・テセ選手のシュート

素早いスローインのリスタートから左サイドを崩され、長谷川選手からゴール右のチョン・テセ選手へパス。
甲府のDFが2人で対応するもフィジカルを活かして強引にシュートまで持ち込まれたが、ゴール右に外れる。

後半22分 待望の先制ゴール!

敵陣右サイドで須貝選手→石川選手→関口選手と繋ぐと、ダイレクトで浮き球をスペースへ走り込んだ鳥海選手へ送る。
鳥海選手はワンタッチして中央にクロスを送るもDFのブロックに跳ね返されボールがこぼれる。
そのセカンドボールにいち早く反応した須貝選手がダイレクトでシュートすると、ゴール前でディフレクションがあり、ゴールネットを揺らす!
須貝選手のホーム初ゴールとなる2戦連続弾は2月27日の大分戦以来となる待望の先制ゴールを甲府にもたらした。

後半31分 宮崎選手、決定機を迎えるが・・・

左サイド、石川選手のスルーパスに反応した宮崎選手がPA内に持ち込む。
キーパーの位置を確認しゴール右上にシュートを放つも、クロスバーと右ポストを叩き、ゴールならず。

後半38分 追いかける町田の猛攻

3分ほど前にゴールの僅か右に外れたFKがあった町田は、セットプレーからチャンスを作る。
平戸選手の精度の高いボールに191センチのパライバ選手を抑え込んだチョン・テセ選手が強烈なヘッドを放つも枠は捉えられず。


その後も町田の攻撃をチーム一丸で死守し、ウノゼロでゲームを締めた。

4.今節のポイント

①右肩上がりの可変システム

今節も金沢戦の途中から採用した須貝選手の運動量を活かした右上がりの可変システムが甲府の戦術として大きく機能していた。
前節の相手、金沢はディフェンスの戦術が4-4-2のマンツーマンディフェンスであったため、右サイドで数的優位を作られる前情報のない戦術に戸惑っていた印象であった。

今節も町田は4-4-2の布陣であったが、町田にとっても金沢戦のスカウティングがあっただろうし、甲府としても戦術として継続していくのか、金沢戦のみの急造システムだったのか、金沢相手だから通用したのか、、、
などなど素人からすると、半信半疑のような部分があった。

それでも、今節も須貝選手の2試合連続ゴールとして結果が出たことが大きかった。
ビルドアップの段階では、関口選手・須貝選手とボランチの1人でボールをつなぐ。
そして「攻め込むぞ!」というタイミングで、

A.左CBと左SBの中間ポジション
B.左CBと左SBの裏のスペース
C.DFラインとボランチの中間ポジション

いずれかのポジションにいるシャドーの鳥海選手へのパスがスイッチとなって、鳥海選手がそのままシュートや中央へのクロスのプレーに向かい、それによって生まれるスペースに須貝選手が駆け込むという形が見られ、結果的にゴールシーンもその形から生まれた。

②後半17分の交代

多くの時間帯で機能していた右肩上がりの可変システムだが、個人的にはやや息をひそめた時間帯があったような気がした。
町田が前線2枚替えを行った直後の後半立ち上がりは、なかなか須貝選手が前に出れない時間帯だったと思う。

要因としては、前線を活性化した町田が勢いを持って後半のスタートから入ってきたため、チームとしてやや受ける形になってしまった時間帯であったこともあるが、大きかったのは町田の太田選手の存在だったのではないか。

甲府のファン・サポーターからすればわかっている通り、太田選手の最大の持ち味は前への推進力である。
そこを警戒するうえでなかなか右ストッパーが高い位置を取りづらくなったのではないかと思う。

そこで大きかったのは、後半17分に投入された石川選手の存在が大きかったと思う。

おそらく、林田選手の運動量という部分で交代となったのも要因の1つだったと思うが、交代直後は積極的に須貝選手のポジションのカバーに入るように動いている印象だった。
これによって、再び右ストッパーが高い位置を取ることを徹底した甲府は交代から5分後の後半22分に敵陣ゴール前に飛び出していった須貝選手のゴールが生まれた。

得点を取ったあとは勢いを持ったチームのバランスを取るように、あらゆる局面に顔を出すダブルボランチの相方・山田選手の動きに合わせて目立たないながらも黒子のようにポジションを取り、チャンスがあれば後半31分の宮崎選手に送ったような絶妙なスルーパスでチャンスを演出していた。

開幕戦で先発出場したものの、第2節以降は不動の山田選手の相方に抜擢されたのは若手の松本選手や林田選手だったが、若手主体の今の甲府にとって貴重なベテランとして復活を感じさせる印象の試合だったと思う。
今後も石川選手のプレーには注目したいと思う。

③活性化する右サイドアタック!とその裏側

結局、今回のポイントは全て「右肩上がり可変システム」関係になってしまったが、それだけこの戦術が機能しているということと捉えていきたい。

さて、須貝選手の2戦連発で右サイドの動きに注目されがちだが、右サイドではないエリアはどんな働きがあるのかという点。

①のポイントで述べた鳥海選手が自由にポジションを取れてしまうA~Cのポジションをなぜ金沢と町田はケアできなかったのか。

まず、ここ2試合はノーゴールの長谷川選手。
なぜノーゴールかといえば、やはり11試合で5ゴールというまでもなく甲府の攻撃の中心である選手のマークが厳しくなるのは必然的で、そこに人数を割いている分、須貝選手がDFラインから出てくる右サイドの対応は不十分になってしまうからではないだろうか。

そして、須貝選手が上がることによる相乗効果で、1トップに入るリラ選手がサイドに流れることが少なくなっているため、どっしりとゴール前に構えることができる。
そこで相手CBのプレーエリアはある程度制限されていることも影響しているのではないかと思う。

個人的に思っていることだが、様々な要因で今の戦術が機能し、3連勝という結果に結びついているのではないかと思う。

5.まとめ

チームは3連勝を果たし、待望のホーム初勝利で今節から始まる5連戦を良い形でスタートさせることができた。
この流れでスタートダッシュに失敗した分を取り返していきたいが、気になるのは連戦による疲労とケガ。

今節も後半立ち上がりにリラ選手が痛むシーンや途中交代した長谷川選手が試合後に足を引きづるシーンもあったのが心配だが、荒木選手らケガから復帰してくる選手や、宮崎選手や石川選手など今節途中出場で見せ場を作った選手たちの活躍に期待したい。

次節、中3日で迎えるホーム2連戦目。
現在リーグ内最多得点を誇る3位・東京ヴェルディを前に
それを上回る攻撃力を見せるのか。
2試合連続でクリーンシートを果たせるか。

次節もファン・サポーターも一体となって4連勝を果たしたい!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?